ウォッチャー金丸のNEWS Watch
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1997年9月17日


HEADLINE 2 articles

NTTはアジアを目指す2
日本IBMの事業活動3題
余談3題:ホームページ・レーティング/2000年問題対応/電磁バリヤー!



[NTT][通信事業](レベルA'
NTTはアジアを目指す...その2


 日経新聞13面&日経産業新聞9面及び日刊工業新聞9面には、NTTが設立メンバーとして参加しているアジア・マルチメディア・フォーラム(AMF)の特別総会が、16日にマレーシアのクアラルンプールで開催され、発足時のメンバー17社に加えて新た13社が参加して、当フォーラムのプロジェクト活動計画に合意したという記事が掲載されている。
 NTTの9月16日のリリースでも、従来のメンバーである中国(香港)やインドネシア、韓国、フィリピン、シンガポール、タイ等の通信事業者や、日本の国際デジタル通信(IDC)IIJ日本サテライトシステムズなどに加えて、富士通や日立、NEC、OKI、宇宙通信等の日本企業や、米シスコ・システムズパンナムサットなどに至る新規メンバーを加えたことにより、「ATMネットワーク相互接続実験」や「PHSによるワイヤレスマルチメディアアプリケーション実験」、「インターネット国際電話接続実験」から「国際衛星インターネット実験」や「EC実験」まで、18ある実験プロジェクトを包括的に推進していくとしている。
 また同じく日経新聞13面&日経産業新聞9面及び日刊工業新聞9面には、NTTが16日、マレーシアに現地法人「NTT MSC」を設立し、業務を開始したという記事も掲載されている。同じく16日のNTTのリリースでも、この新会社設立はマレーシアの国家プロジェクト「マルチメディア・スーパー・コリドール(MSC)計画」の一環でもあり、マルチメディアネットワーク構築技術研究やグローバル通信事業サービスなどを展開していくとしている。

 8月19日のNEWS Watchでも「NTTはアジアを目指す」として、NTTがアジアインターネットホールディング(AIH)に出資したり、(8月19日のINTERNET Watch-Web参照)、「China-US太平洋海底光ケーブルネットワーク計画」(3月31日のNTTのリリース参照)に参画したりと、アジアへの進出の度合を深めていることを取り上げたが、ここにきて東南アジアを中心とする、インターネットも含めた総合データ(マルチメディア)通信事業への布石も次々と打ってきているようだ。
 特に親日派のマハティール首相のいるマレーシアを活動の拠点に選んだあたりは、国家プロジェクトとともにインフラ構築及びマルチメディア通信事業に進出を目論む日本企業群の思惑が強く現れており、その先頭にNTTが立っているとも言えそうだ。



[IBM](レベルB
○日本IBMの事業活動3題


 今日の日経各紙には、日本IBMの各種事業への取組みが3件も取り上げられており、それぞれユニークな背景があるので取り上げてみたい。
 まず日経新聞1面同13面の解説には、同社がマイクロソフトと企業情報システム事業で提携するという記事が掲載されている。MSがシステム協力販社に与えている「ソリューション・プロバイダー(SP)」の認定を日本IBMが近く取得するということで、WindowsNTを中心としたシステム構築での協力関係が強まるようだ。

 また同じく日経新聞13面には、同社が年内にも、AMD社製のMPU「AMD-K6」を搭載した20万円を割る低価格PCを発売するという記事が掲載されている。同社がデスクトップPCに米インテル以外の割安MPUを採用するのは初めて、ということらしい。
 8月20日のPC Watchの記事日本AMDの8月18日のリリース、また米IBMのAptiva情報ページなどから、新型Aptivaの廉価版機種:Eシリーズの日本版あたりに搭載されるのではと予測される。

 そして日経産業新聞1面トップには、日本IBM日本フィールドサイエンス学会・協会(FISA)ジャックス、日本ハム子会社の日本野菜などの1団体と5社が、98年1月に有機農産物のバーチャル市場「ざ・まーけっと」を開設するという記事が掲載されている。購入者側からは、この「ざ・まーけっと」にインターネットやパソ通経由で購入量を入力するということで、生産者側とのリアルタイムな生産調整などが可能なシステムとなるようだ。

 アメリカのIBMとMSとは色々な部分で反目しあい、わだかまりがまだ残っている様な間仲であっても、日本の子会社が先に和睦の方向で業務提携出来たり、そうかと思えばIntel陣営とは少し距離を置くMPU採用方針を取ったり、また日本特有の野菜流通システムにもメスを入れたりと、アメリカ本社に気兼ねせずにダイナミックな動きが出来るあたりにも、IBMが復活してきた大きな要因があると思われる。




余談その1:ホームページ・レーティング8月5日のINTERNET Watch参照)
 日経新聞11面&日経産業新聞2面には、電子ネットワーク協議会が16日、インターネット上の有害情報遮断ソフトの無料配布と有害ホームページのリストを蓄積したDBサービスを同日から始めたと発表したという記事が掲載された。同協会では99年度をめどにDBサービスの運営を民間事業者に任せる方針で、まずWindows95版フィルタリングソフト正式版を9月16日から、Mac版を10月からの配布予定としているようだ。
 将来的には映倫やビデ倫の様な組織を目指すようになるのだろうが、爆発的に増えたり、移動したり、消えたりするコンテンツを相手に地道なレイティング作業が要求されるのは必定で、かなりの労力を取られそうではある。

余談その2:2000年問題対応
 日経新聞5面及び日刊工業新聞1面には、通産省が16日に、コンピューターの「2000年問題」に関するアンケート調査の結果を発表したという記事が掲載された。この問題を「重要」ととらえる経営者は昨年の6.6%から61.9%に急上昇したものの、資本金100臆以上の企業の9割以上が対策中であるのに対して、1億円未満の企業が何らかの対策を講じた割合は55.5%にとどまったらしい。
 また日経産業新聞9面には、情報サービス産業協会(JISA)日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)も16日に、2000年問題アンケートの調査結果を発表したという記事が掲載され、この7月の6千社を対象とした調査を実質的に取りまとめたのが、両組織である事が分る。
 特に予算的なものがネックとなって、対応が遅れているケースが中小企業などに目立つようだが、このままずるずると世紀末を迎えてしまうと、新たな企業格差(切捨て)の要因になりかねない。

余談その3:電磁バリヤー!(今日の強力(!?)製品)
 日経新聞17面には、通信関連のパシフィック・テレコム(PTC)とメディックが20日から、携帯電話やポケベルなどの送受信を、或る区域内で出来なくする装置「Wave Wall」を発売するという記事が掲載されている。半径約3mに携帯やPHS、ポケベルで使われる800MHzと1.5GHz帯の微弱電波を発信し、その範囲内に入った機器は通信圏外という表示が出るということらしい。
 Wave Wallの解説によると、医療機器等への悪影響は一切無いそうなので、病院や航空機内などの携帯電話等の使用が禁じられているエリアにも設置できるということなのだろう。
 携帯用Wave Wallなどが出たら、持ち歩きて公共マナーを教えたい(ただ単に嫌がらせ?)と思っている方も多いのでは...(^_^;)



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