ウォッチャー金丸のNEWS Watch
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1997年9月18日


HEADLINE 2 articles

下水道通信インフラに注目が集まる
ホール用イントラネット「PYBERMEBIUS」
余談3題:PC国内売り上げ鈍化/エージェント作成/簡単検索/休刊連絡



[通信インフラ][規制緩和](レベルA'
今、下水道溝に熱い注目が集まる


 日経新聞13面には、DDIがNTTの市内交換機と接続するための伝送路を、東京都下水道管内に敷設するという記事が掲載されている。都心部の地下に独自ケーブルを敷設する場合と比較し、コストが1/10程度に削減できるため、電話料金低下にもつながるとしているようだ。実際には、代々木と青山の間の約4kmを予定しているらしい。
 これまでも、東京都が9月1日に全国で初めて通信事業者への下水道開放を正式発表し、既にKDDへの貸与が決まっている(9月2日のNEWS Watch参照)ことや、米大手通信会社のWorldComが98年1月に国内通信業者の外資規制が撤廃されるのを機に、下水道溝を利用して都心のビジネス街に光ファイバー網を敷設すること(9月12日のINTERNET Watch-Web参照)などもあって、いま東京都心の地下溝には熱い目が注がれている。道路をいちいち掘り返さなくても、通信網が敷設できることで、道路工事による都心の渋滞緩和にまで寄与するだろう。
 上記のような注目を導いた大元は、海外通信事業者の国内参入の枠を広げる国の規制緩和と、下水道溝を通信事業者などに開放する自治体の規制緩和という、2つの規制緩和のタイミングが合ったことだと言えるだろう。新たな通信インフラを安価に敷設することが可能となったという、規制緩和政策の相乗効果が比較的早く現れてくる好例となりそうだ。



[INTRANET][PYBER](レベルB
ホール専用イントラネットシステム「PYBERMEBIUS」


 日経産業新聞2面のザ・サイト特集コーナーには、今年の夏に愛知県瀬戸市のパチンコ屋で、パチンコをしながらインターネットのコンテンツが見られる情報端末が試験的に導入されたという記事が掲載されている。サン電子が開発したパチンコホール専用イントラネットシステム「PYBERMEBIUS」用の端末「PYBERVISION」(両方ともPACHINKOとCYBERをかけている)をパチンコ台の横に取り付け、出玉情報からニュースや天気予報のホームページ表示、TV表示機能などが可能で、各顧客別のID管理も出来るようだ。今後はブラウザに電子メール機能も盛り込み、店内でメール会話もできるようにするらしい。
 上記は4月16日のNEWS Watchで既に取り上げた機器で、そのときには、パチンコもパソコン操作も、椅子に座りながら長時間、動作表示面を目で追っていく姿などがソックリだ、などと茶化していたのだが、実はその相似性にこそ重要な意味があると思われる。
 長時間同じ場所に人が留まっている場合、単一の情報(遊びや興味ある物事でさえも)だけでは、もはや我々は立ち行かないほどに情報を欲して(に犯されて)いるのが現実で、情報を得る為にはラジオやTV、携帯電話、パソコンなども持ち歩くようになってきている。こういった情報に飢えた状況に陥らせるようなパチンコにとっても、パソコンにとっても、その情報閉鎖を打破するための突破口のひとつとしてインターネットが存在すると言えそうだ。そう考えると、巨大産業と化しているパチンコ業界内で、大化けするような機器にも思えてきた。
(今回の機器は、パチンコとパソコンで「パチコン」という名前が良いかなと思ったが、安易すぎてやはり数多くあるようで...(^_^;)




余談その1:PC国内売り上げ鈍化記事に想う
 日経新聞13面&日経産業新聞10面には、日経新聞社が17日まとめた有力PCメーカー18社に対するアンケート調査で、97年度のPC国内出荷台数の伸び率は、日本電子工業振興協会(JEIDA)予測の「前年度比22%増」を下回る伸び率を見込む企業が有効回答14社中11社を占め、10%台を見込むメーカーも9社となっているという記事が掲載された。早速、日経新聞の同紙面では、「曲がり角のパソコン市場」と題して特集連載も始まっている。
 昨年までのブームが異常だったというのがメーカーや販売店の言で、これで正常に戻ったという方が正しいとは思う。価格戦略なども行き詰まりを見せている根本は、上記特集連載1回目の中で取り上げられている、MSの成毛社長が予測した日本の家庭市場での冷え込みが現実のものになってきた、というのが本当のところだろう。

 PCの家庭でのニーズというものが、電話やTV程では無い現状では、安値攻勢などでは限界が見えているのは当然とも思われる。この状況を切り抜けていくには、ひとつには日刊工業新聞36面にあるような、亜土電子工業が東京・秋葉原の「T・ZONEミナミ」内に組み立てPC専用の大型売り場「PC DIY FACTORY」を開設した様な、自分だけのPCカスタマイズが簡単に出来る、よりホビーに近付いた展開があるだろう。
 もうひとつには、「パソコンでござい。何でも出来るよ。でもボタン1つじゃ動かないよ。」と家庭内でデンと構えるのではなく、その使われる用途によってその姿を変えていく方向性もあるだろう。例えば、NCや(インターネットやCATV放送用の)セット・トップ・ボックスなどのように、用途がハッキリしているPCライクな情報機器が、今後家庭への浸透のし易さで攻勢をかけてくると考えられる。

余談その2:エージェント作成
 日経産業新聞5面には、千葉工大東北大の研究グループ(東北大・通研白鳥教授らの研究室他)が、ネットワーク上の既存のプログラムからエージェント・ソフトを作る技術を開発したという記事が掲載された。
 ソフトの処理速度などを考えれば、まずはLAN上での分散ソフト資源の活用ということが、現実的な使い方とはなろうが、エージェント自体もネットから生まれるという、いかにもインターネット(分散化)時代の発想と言えるだろう。

余談その3:簡単検索9月17日のINTERNET Watch Webも参照)
 日刊工業新聞11面には、デジタル・ビジョン・ラボラトリーズ(DVL)が、登録商品検索サービス「グルメファインダー」の本格運用を始めるという記事が掲載されている。インターネット上の該当ページまで、3クリックでたどり着けるというのが特長らしい。
 情報の海に溺れかけている我々にとっては、たとえ登録商品の中であっても簡単に検索出来ることが重要なのだが、検索の鉄人を狙う者達にとっては、もっともっと切実なる要望だろう...(^_^)

休刊連絡
 明日の19日と来週の22日は休刊とさせていただきます。ご了承の程、宜しくお願いいたします。m(__)m



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