ウォッチャー金丸のNEWS Watch
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1997年10月14日


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電子メールサービスの広がり
トヨタの自動車情報サービス「MONET(モネ)」
余談2題:インターネットFAX関連2題/デジタルとアナログ・カメラ向けサービス2件


[電子メール][サービス/ソフト](レベルA'
電子メールサービスの広がり


 本日は電子メールに関連する記事が新聞各紙に3つほど掲載さているので、取り上げてみたい。

 まず日経新聞13面には、三井物産が10月末、インターネットに接続できるPCがあれば無料で利用できる電子メールサービスを始めるという記事が掲載されている。広告収入で運営するために利用料がタダになるということで、同社の電子モール「キュリオシティ・ゲームランド」の中に専用ページを設けるようだ。このサービスに広告を出している広告主にとっても、利用者登録の際に趣味や嗜好に関する約100種類の項目を設けて利用者の属性を細かく把握出来るようになることから、広告主が望む属性のあった登録者にのみ宣伝用の電子メールを送るなど、効率の良い広告サービスも提供できるとしているようだ。このメールサービス「Curio Mail」の予告においては、ブラウザでCurio Mailサービスにアクセスして自分のアドレスを登録すれば、すぐにEメール利用が可能になるとしており、近日中のサービス開始となっている。

 9月4日のNEWS Watchでは、同じく三井物産がキュリオシティ上でゲームのレンタルサービスを始め、ホームページを持つ企業などに貸し出して利用者のアクセス増加を見込ませ、広告効果を上げようとしている件を取り上げたが、このCurio Mailも三井物産自らのホームページのアクセス増加を見込んだ広告効果アップ事業の一環と言えるだろう。
 数日前の新聞紙上には、「Yahoo!」も同様な無料メールサービス「Yahoo! Mail」を開始したという記事(10月13日のINTERNET Watchダイジェストニュース参照)も掲載されており、無料メールサービスでのアクセス数増加効果を期待しているのは、国の内外を問わないことも分る。

 また日経産業新聞1面には、日本HP新着電子メールを自動的に印刷するソフト「HPインスタントデリー」(Windows95対応)を日本市場に投入するという記事も掲載されている。同社のインクジェットプリンターに標準添付ソフトとして配布するようで、添付ファイルも印刷可能としているようだ。プッシュ技術にも対応していることから、Active Channelを利用した配信データも印刷可能としていると考えられる。

 上記ソフトは、プリンター売り込みのための便利なツールのひとつであり、ペーパーレスの流れには反している。しかし、このソフトも紙に頼るユーザーが電子メールを使うためのツールとして、上記二件と同様に電子メールの利用拡大に貢献するものと考えられる。
 インプレスのWatchシリーズなどが電子メール・メディアを開拓しているが、電子メールはまだまだ応用ができそうだ。



[カーナビ][移動体通信サービス](レベルA'
トヨタの自動車情報サービス「MONET(モネ)」


 日経産業新聞9面と日刊工業新聞9面には、トヨタ自動車が13日、子会社のトヨタメディアステーションを通じて、走行中の車に交通や生活に関する情報を24時間、 リアルタイム提供するサービス「MONET(モネ)」を、11月1日から開始すると発表したという記事が掲載されている。13日付のトヨタのニュースリリースでも、MONETに対応するハンドフリーセット(標準タイプ:44,800円)を販売店装着の自動車用品として、同日全国の車両販売店およびトヨタ部品共販店を通じて発売するとしており、その他にMONETを利用するには、MONET対応のトヨタボイスナビゲーションやデジタル9,600bpsの携帯電話又は自動車電話、MONET入会手続き(入会手続料:2,500円と年会費:6千円、来年3月までモニター期間無料キャンペーンとして入会手続料及び会費は無料)が必要となっている。(サービス内容はリリースを参照のこと)

 トヨタメディアステーション社は今年7月28日に設立された共同出資会社(トヨタ自動車及びデンソーやアイシン精機などのトヨタグループと富士通、松下電産など)で、当初目的のとおり、カーナビとデジタル携帯電話回線を利用し、交通情報やニュース・天気予報、ガソリンスタンド・レストラン・駐車場などの各種施設情報をユーザーのリクエストに応じて、オンデマンド・リアルタイムで提供するサービスを開始することになるようだ。インターネットの電子メールの内容を参照したり簡単な定型文章を車から送ることも可能としている。また走行中は安全に配慮して音声での情報の読上げも実施しているあたりは、携帯電話使用による事故増加を憂慮している自動車メーカーらしさが出ているようだ。
 9月25日のINTERNET Watch記事では、ソニー11月からインターネットにアクセスできるカーナビ「インフォメーションナビシステム」を発売し、同時に10月末までにモバイル環境のための情報ホームページ「MobileLink」:http://www.mobilelink.or.jp/を開始(10月末予定)する件が掲載されており、カーナビとデジタル携帯電話を利用して交通情報などを提供するところは同様ではあるが、音声読み上げ機能や電子メールなどの双方向性データ送受信機能などがある点では、音声読み上げ機能や電子メールなどの双方向性データ送受信機能などの点では、トヨタのサービスの方が(現時点では)優っていると言えるだろう。

 本日は他にも移動体通信向けのデータ配信サービスとして日経産業新聞2面に、データベースサービス会社のジー・サーチが16日から、PDAなどモバイルコンピューティング端末専用の情報提供サービス「モバイルプラス」をインターネット上で始めるという記事も掲載されている。端末側からの受信速度を高められるよう、文字情報を中心とするなど従来のパソコン用とは違う専用コンテンツを作成し、InfoWebの会員向けにサービスを開始、料金は電子メールの場合で月120円~、ブラウザー使用の場合で1件20円~となっており、10分ごとに更新するニュース速報や交通取締情報、天気予報など年内に12メニューを提供するらしい。
 InfoWebを主催する富士通も、昨年6月から携帯情報端末向けのインターネット上の情報サービス「WildBird」を提供していることから、そのノウハウを活かして文字情報を中心としたコンテンツとし、表示速度(使い勝手)を意識したサービス展開を行うことになったと推測される。PDAユーザーなどからのアクセスが多数になるようであれば、場合によってはWildBirdのサービスメニューに取り込まれる可能性もありそうだ。

 上記二件のように、これまでのインターネット上のサービスをそのままモバイル機器に提供するのではなく、その利用状況やデータ通信速度などを考慮したコンテンツ提供サービスが増えてくれば、カーナビやPDAなどのモバイルユーザーからも支持が集まると思われる。




余談その1:インターネットFAX関連2題
 日刊工業新聞7面と日経新聞16面には、メディアバンクが27日から、同社のインターネット接続サービス「ドリームネット」の会員を対象に、インターネットFAXサービスをスタートするという記事が掲載された。米MTI社のインターネットファクスサービス「インターファックス」を活用し、パスワード入力などの面倒な登録作業が不要になるらしい。(10月9日のINTERNET Watchダイジェストニュース参照)

 また同じく日経新聞16面には、アイキューブネットが11月下旬から、格安インターネットFAXサービス「FAXFER」の内容を拡充するという記事が掲載された。電子メールをFAXに出力したり、その逆のサービスなど6種類の新サービスを加えるらしい。

 インターネット・ユーザーから一般のFAXユーザーまで、インターネットFAXサービスの範囲や対象も、バラエティに富み始めてきている。加えて本日の日刊工業新聞15面~17面にも、三面ブチヌキでインターネット電話広告特集が組まれており、インターネット電話とFAX事業も一般へのサービス供給体制が整いつつあるようだ。

余談その2:デジタルとアナログ・カメラ向けサービス2件
 日経産業新聞11面には、コニカが27日から、写真をFDに書き込むサービス「コニカPCピクチャーショー」を始めるという記事が掲載された。35mmカラーネガフィルム画像を画像ソフト込みの専用FDに入力するサービスで、FD1枚あたり20~30コマ(400×600画素)書き込めるようだ。フィルム現像とプリント代込みのパック料金で24枚取り:1,950円、36枚取り:2,950円などとなっているらしい。

 また日刊工業新聞8面には、オムロンが13日、デジタルプリントと共同でデジカメのプリントサービス受け付け装置「デジカメステーション」(本体標準価格:250万円)を11月1日に発売すると発表したという記事も掲載された。記録方式が異なる16社・34機種のデジカメに対応しており、試験サービスも10月14日からデジプリショップ秋葉原で行なう他、10月末には大型ビデオレンタルフランチャイズ店(東京・世田谷)で開始予定としている。予定されているサービスも、クイックプリント(その場で出力:1枚100円)や100年プリント(ISDN回線経由でデジプリ社のホストへ転送し、後日銀塩プリント仕上げで配送:同時プリントL判40枚で2,500円)など6種類あって、デジカメをその場に持ち込んでの出力スタンド・サービスなどが可能なようだ。

 デジカメも通常のカメラも、どちらを使っているかも意識させない様なサービスとも言え、アナログ(現実)とデジタル(仮想)の世界をより近付けてくれるサービスにもなりそうな、二件ではある。

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