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1997年10月16日


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MCI買収に米GTEも参入
インターネット広告費の急増
余談3題:検索の鉄人のためのツール/動作周波数1ギガヘルツ/九州電話


[通信業者][M&A](レベルA'10月2日及び6日のNEWS Watch記事参照
MCIコミュニケーションズ買収に米地域通信業者のGTEも動く--これでの四つ巴の買収合戦に発展


 日経新聞夕刊1面同じく3面には解説記事2本あり)と朝日新聞夕刊2面には、米地域通信大手のGTEが15日、長距離通信のMCIコミュニケーションズに対して現金買収の規模としては米産業史上最大の総額280億ドルの買収提案をしたという記事が掲載されている。GTEの10月15日のリリースでも、280億ドルのキャッシュ又は40ドル/一株の株式交換を提案したとしており、このM&Aが成立すれば2千百万本以上の地域通信回線と2千4百万本以上の長距離通信回線を持ち、4百億ドルの連結収益を上げる巨大通信業者が生まれるとしている。このリリースには他にも、GTEのLee会長兼CEOが15日にMCIのRoberts会長に送った買収提案の書簡も公開されている。

 買収金額としては、今月頭に米長距離通信4位のワールドコムMCIに対して示した買収額の約300億ドル(41.5ドル/一株の株式交換、10月2日のINTERNET Watch Web参照)には及ばないが、昨年秋から進められている英ブリティッシュ・テレコム(BT)が提示している210億ドルは上回っており、かつ現金でもOKとしているところに、他社との大きな差別化(現金ほど資産の目減りがないものは無い為)が図れていると言えよう。

 そもそもこの四つ巴の買収合戦を引き起こした大元は、昨年の米通信法改正で地域 や業態間の壁が取り払われたことに起因しており、日本も'99年にはNTTとKDDなどを 縛っていた通信法が全面規制緩和になることを考えると、とても対岸の火事などとは 言ってはいられなくなるのは間違いない。
 



[インターネット広告](レベルA'
インターネット広告費の急増


 日経産業新聞2面には、インターネット広告の推進団体である米インターネット広告局(IAB)が、97年上半期の米ネット広告費が約3億4千万ドルに達し、既に96年の通年実績(約2億6千万ドル)を上回ったと発表したという記事が掲載されている。また、広告費の7割弱が上位10社に集中しており、人気の高いホームページに極度に広告が集まる現実も示されているようだ。

 IABの10月7日の発表でも、今年の第2四半期('97年4月~6月)の広告費だけでも約2億1千4百万ドルと、第1四半期('97年1月~3月)の広告費:1億3千万ドルの2倍弱に増加(昨年の同期より4倍以上!)となっており、その急増ぶりが分る。またその3カ月間では全広告の内、一般消費向け製品などの広告の割合が前期('97年1月~3月)の17%から30%へと延びて第一位となり、次いで金融サービスが22%、コンピュータ製品が21%、 マルチメディア関連と通信機器関連がともに7%となっている。バナー広告も全体の54%を占めるとしている。

 また同じく日経産業新聞2面には、日経BP社が会員制データ・サービス「日経マーケット・アクセス」の第2回全国インターネット普及率調査をまとめ、今年9月末時点で日本のインターネットユーザーは860万人で、そのうちWWW利用者は555万人とこの半年で約6割増加したという記事も掲載されている。調査の詳細は「日経マーケット・アクセス・レポート」11月号に掲載するほか、オンラインでも提供するらしい。

 10月16日の日経マーケット・アクセスのリリースでも、'97年3月末時点の第1回インターネット普及率調査ではインターネット利用者数が約700万人(WWW利用者:350万人)だったということで、6カ月間で特にWWW利用者が6割以上の増加となっている。

 上記2件を合わせて考えてみると、日本でこれからインターネット広告費収入を上げる為には、人気WWWサイトを構築し、バナー広告を中心とした宣伝活動を行い、取り扱う広告商品もインターネットやPC関連ばかりでなく一般消費者向け商品も増やしていく、などといったところを重視すれば良いだろうか。人気の高い一般新聞サイトやWatchサイトにしても、まだまだインターネット&PC関連のバナーが多いのだが、今後その傾向も変って行くと思われる。




余談その1:検索の鉄人のためのツール10月13日のINTERNET Watchダイジェストニュース参照)
 日経産業新聞16面には、日立情報ネットワークが複数の検索サイトを同時に利用できるPC用ソフト「さちサーチ」(Windows95対応)を開発し販売を始めたという記事が掲載された。複数のサイトを同時に利用できるため、検索漏れなどが少なくなるらしい。

 このソフトはダウンロードのみの販売形態で、初回1万本限定の特別価格:2千円(定価は3千円)となっている。既に第一次予選ラウンド2が始まっている「検索の鉄人」にチャレンジする方々にとっては、予選が厳しくなればなるほど、欲しくなるソフトになりそうだ。

余談その2:動作周波数1ギガヘルツ
 日経新聞17面には、日本マイクロニクスが、CPUなどの検査装置「BFプローブカード」を開発したという記事が掲載された。このカードの上でCPUなどの導電性などを調べるようだが、動作周波数が1GHzまでのIC検査を可能にしたらしい。

 PC Watchのマーケット関連情報CPU販売動向調査では、動作周波数:300MHzのCPUなども既に常連なのだが、さすがに1GHz動作と言われるとまだそのインパクトは充分にある。ただ単に凄い(!?)動作周波数とは感じるのだが、そのギガHz帯の動作周波数も、あと数年(数カ月?)経てば当たり前と感じるようになるのかも(?)しれない。

余談その3:九州電話9月12日のNEWS Watch余談その3参照)
 日刊工業新聞1面と11面には、電力系地域通信会社の九州通信ネットワーク(QTNet)が99年早々にも、九州地方でも市内電話が3分9円の家庭向け電話サービスに乗り出すという記事が掲載された。

     注:編集部で同社に確認したところ、上記のような予定はないと言うことだった。

 東京通信ネットワーク(TTNet)の「東京電話」サービスに引き続きの電力系通信事業者の割安電話サービス参入となるのだが、北は北海道から四国や九州まで、「○○電話」が全国で生まれるのは時間の問題だろう(か?)。



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