ウォッチャー金丸のNEWS Watch
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1997年10月21日


HEADLINE 4 articles

米司法省のマイクロソフト提訴
DVDライセンス受付に2つの交渉窓口
PC向けデータ放送2題
宅急便業界での配送管理システム
余談3題:TTCN/簡単Eメール・モバイル機器/インターネット・リサーチ


[MS][訴訟](レベルA今日のINTERNET Watch Web記事及び後藤さんのWeekly海外ニュース参照
米司法省は、IE販売是正を求めてマイクロソフトを提訴


 今日の夕刊各紙はこのビッグニュースに揺れている。
 その朝日新聞1面毎日新聞5面読売新聞2面日経新聞1面トップには、米司法省が20日、米マイクロソフトをワシントンの連邦地裁に提訴したと発表した記事が掲載されている。詳細はWatchの速報などを参照していただきたいが、同じく日経新聞3面の解説記事など、IEについての司法省が指摘する違法な販売手法を存在を臭わせており、90年に始まった独禁法当局の介入が今回も大きな戦略転換を迫られる可能性を示唆する新聞も多い。

 提訴された同日のMS社の97年7~9月期決算発表(日経新聞夕刊3面にも掲載あり)において、売上高が前年同期比で36%増の31億3千万ドル、収支も53%の増益となっており、司法省も市場に公正な競争を促すという立場からすると、成長する米IT産業の中でも特に1社だけ突出した現状を踏まえて、もはや市場原理任せではなく何らかのコントロールをかけるべき時期に来たと判断したものと思われる。
MSの反論や対応策など今後の動きも注目する必要があり、明日以降の新聞報道も要チェックだろう)



[DVD][特許料](レベルA'8月14日15日26日のNEWS Watch記事参照
DVDライセンス受付に2つの交渉窓口が


 朝日新聞10面日経新聞13面&日経産業新聞8面、そして日刊工業新聞14面には、東芝や日立、松下電産、三菱電機、米タイム・ワーナー、日本ビクターの6社が20日、各社がそれぞれ保有するDVDに関する特許を一括してライセンス供与する特許連合を発足の合意を発表したという記事が掲載されている。同日から申し込み受付を始めており、6社のライセンス料はDVDドライブ機器については販売価格の4%(最大4ドル)、DVDディスクは1枚7.5セントとなっている。ソニーやパイオニア、蘭フィリップスの3社のライセンス料金は、DVD装置が3.5%でディスクが1枚5セントとなっており、それより割高な設定にしているようだ。

 もし両陣営のDVD方式に対応するドライブ機器をメーカーが発売すれば、特許料を各々上乗せして(4+3.5=)7.5%になるだけに、そのままDVD機器価格も割高になってしまい、結局ユーザーがDVDに関する統合が出来なかったつけを払わされる結果となってしまったとも言える。
(両陣営双方ともに企業エゴを感じずにはいられないし、DVD普及の足枷を自ら作り上げてしまったのではとも危惧される)




○PC向けデータ放送2題
 日経新聞13面&日経産業新聞3面には、日本デジタル放送サービス(パーフェクTV)が来春にも、PCを受信機とするデータ放送「パーフェクPC」を始めるという記事が掲載された。このほど放送事業者(TBSなど)や新聞(日経新聞社など)・出版社、メーカー(NECなど)等36社で構成する「実験協議会」を発足させ、実際に通信衛星を介した実験放送を来年2月ごろに無料で開始し、4月ごろには有料サービスとする考えのようだ。

 また日経新聞17面には、スポーツデータ解析のアソボウズが来年のプロ野球開幕に合わせて、TBSのビットキャスト放送「データパレード」向けのデータ送信を始めるという記事も掲載された。これはTV放送電波のすき間を使って番組に連動したデータをPCに送るということで、ユーザーはPCで野球中継を見ながら選手の分析データなどを楽しめるらしい。

 昨日のNEWS Watchでは、米MSがWindows98の仕様にTVデータ放送方式を取り込む件を取り上げたが、日本のデータ放送もCS衛星や地上波TV電波を使った展開を模索しており、PCへのインターネットを介さない新しいメディアとして独自発展する可能性もありそうだ。

○宅急便業界での配送管理システムの効用は...
 日経新聞15面には、西濃運輸NECは共同で、インターネット上のECに連動した配送管理システムを開発したという記事が掲載された。消費者が仮想商店に注文した情報が即座に西濃運輸に届いて商品の配送を始める仕組みで、配送期間を短縮でき、消費者も商品の配送状況を仮想商店のホームページ上で常に確認できるらしい。第1弾として23日から、NECの仮想商店街「VMALL(ブイモール)」で運用を始めるようだ。

 宅急便業界では、ヤマト運輸が11月1日から小笠原諸島で宅急便扱いを開始し、日本全国津々浦々までサービスカバー(日経新聞1面&日経産業新聞15面及び日刊工業新聞36面掲載)したり、佐川急便グループが98年3月から宅配便事業に参入(日刊工業新聞36面掲載)したりと、激しいサービス合戦が繰り広げられているだけに、上記システムがどれくらいサービスアップにつながるか、注目されるところだ。



余談その1:TTCN21日のINTERNET Watch Web記事参照)
 日経産業新聞7面と日刊工業新聞13面には、東京通信ネットワーク(TTNet)は10月中にも、インターネット接続を中心にしたコンピューター通信サービス「TTNetコンピュータ通信網(TTCN)」を開始するという記事が掲載された。

 OCNやODN、DIONなどに続くコンピュータ通信網の登場となり、東京電話に続くNTTなどへの通信価格挑戦ともなっている。電力系通信業者も、通信の自由化(ビックバン)に向けて本腰を入れてきたということだろう。

余談その2:簡単Eメール・モバイル機器
 日刊工業新聞13面には、東芝が11月25日、電子メールの送受信ができるPHS端末「MC-01」(オープン価格)を発売するという記事が掲載された。電子メール対応の機種としては業界最小・最軽量で、32kbps伝送の「PIAFS」とDDIポケットの「無線モデム」に対応しており、NIFTY SERVEとBIGLOBEの接続手順をあらかじめ搭載しているため、PCカードやPCに接続しなくてもパソ通できるらしい。

 簡単な手順でメール送受信が出来るなど、一般のPHSユーザー向けにインターネット接続出来るモバイル入門機器として勧められそうだ。

余談その3:インターネット・リサーチ
 日刊工業新聞8面には、第一企画がインターネットによる調査システム「KNOTs(ノッツ)」を構築し、サービスを開始したという記事が掲載された。同社が組織化した「KNOTs CLUB」に登録する約8千人のモニターにインターネットを通してアンケートを実施するもので、多くの調査ニーズに対応できるとしているらしい。

 インターネットを使った、スピードが売りの調査システムといったところだろうか。PCやインターネット関連のアンケートについては、かなり詳細まで分析できるデータが取れそうだが、その他(特に女性や子供関連)となると、いかがなものだろうか...



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