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1997年11月28日


HEADLINE 3 articles

UCカードの電子決済実験拡大
J-WAVEのインターネット事業
iBOX1とコンテンツ事業の拡充
余談4題:複数検索エンジンソフト/EVメール/MONETプロトコル公開/今、必要なものは/休刊連絡


○UCカードの電子決済実験拡大
 日経新聞17面には、UCカードが12月1日から、これまで1万人のモニター限定としてきた仮想商店街「UCサイバーモール」上でのクレジットカード決済ができるEC実験を、同社の1330万人のカード会員全員に開放するという記事が掲載された。UCカードは、電子財布ソフト「ECクライアント」(現在Windows95対応)なども無料配布しており、他カード会社などより先行して会員を集めて実用化に備えるとしている。

 UCカードのEC実験プロジェクトのうち、電子決済機能を付加した「UC CYBERNET CARD」を使ったオンライン・ショッピング・サービスを、一般のUCカードユーザーにまで拡大するということで、来年4月からの日本版金融ビックバンに向けて、もう一つサービスの目玉に欠ける日本の金融各社にとっても、その動向が大いに注目される実験になるのもと思われる。

編集部注: UCカード社に問い合わせたところ、UCカード会員全員に拡大することは決まっているが、開始時期や利用料金などの詳細は未定とのことだ。


○J-WAVEのインターネット事業
 日経産業新聞3面には、FMラジオ「J-WAVE」を放送するエフエムジャパンがマイクロソフトと協力し、インターネット事業を本格展開するという記事が掲載されている。まず12月14日から25日まで、世界の聖なる土地(エベレストや南極など)を生中継するサイト「ホーリー・デセンバー・ラブ・カム」を開設するほか、1月をめどにMSNの協力で本格的な音楽サイト(http://j-wave.msn.com/を予定)を立ち上げるとしている。

 10月17日のNEWS Watchでも、FM東京がインターネット・インタラクティブ放送を開始した件を取り上げたが、こうしたFM局がインターネット事業に熱心になる理由として、双方向放送を行うにもTV局ほど周到な設備投資や番組制作の手間暇をかけなくても新嗜好番組として取り込む身軽さをFM局が持っている事もさることながら、音声のみならずビジュアル情報を放送出来るインフラを容易に獲得できるという部分が大きいと思われる。そう考えると、今後も日本各地で同様なサービスの増加が見込まれそうだ。


○iBOX1とコンテンツ事業の拡充11月27日のINTERNET Watch Web記事参照)
 日経新聞17面&日経産業新聞5面及び日刊工業新聞7面には、ネットワーク端末機器メーカーの日本電算機が27日、インターネット専用PC「iBOX1」(実売で4万円台想定)を12月から発売することと、インターネット・コンテンツの拡充策としてニュース写真の掲載や販売を行う「PHOTOスクープ&ライブラリ」(http://www.mmbc.co.jp/を予定)や生活関連情報を提供する「チャンネル1」(http://www.ch1.co.jp/を予定)、動画によるインターネット上の生放送番組「くず哲也の今夜もがんばるゾ」(http://www.mmbc.co.jp/kuzu/を予定)などを12月上旬から提供開始すると発表したという記事が掲載された。

 従来のiBOX製品を低価格化することと相まって、提供するコンテンツ・サービスも拡充しようとする方策なのだが、バンダイのピピン端末の例を見ても、そこに機器拡販への相乗効果が期待できるかどうかは疑問が残る。その理由としては、今現在においてインターネット・コンテンツを一番品質(効率)良く表現してくれる機器としてはPCが最も優れており、良質なコンテンツの提供がPCユーザーを増やす方向に結び付いてしまうことがあげらる。コンテンツ・サポートがインターネット端末売上に直結しない難しさが、このあたりにあるようだ。




余談その1:複数検索エンジンソフト5月19日のINTERNET Watch記事参照)
 日経産業新聞23面には、情報提供サービスのビークラインが、インターネット向けの新しい情報検索ソフト「サーチ・エージェントVer 1.5」を開発したという記事が掲載された。複数の検索エンジンを同時検索でき、表示内容も重複する項目は省いてEメールの形で保存できるなどとしている。

 10月17日からヴァージョンを1.0から1.5にアップして、検索とメール配信を統合したサービス「Web Citta」として公開しているのだが、検索エンジンを各々使った場合での手間と時間が、どれくらい省かれるかで、便利と感ずる度合も違ってはくるだろう。

余談その2:EVメール
 日経新聞17面&日経産業新聞5面と日刊工業新聞8面には、関西セルラーホンが自分宛のEメールを携帯電話から音声で聞けるサービス「EVメール」を始めるという記事が掲載された。Eメールの発信者とタイトルを携帯電話のディスプレーに表示し、自分で作成した返信メールの発信もできるとしている。12月1日から公募モニターを使ってサービスの検証を行い、来年2月にも本サービスに移行する予定ともしている。

 返信には携帯電話のテンキー操作による定型文章メールが返されるので、まずは「とりあえず読みました(このサービスでは聴きましたとなる)」という返事を出す様な、外を飛び回っている大忙しの方々向けのサービスとなりそうだ。

余談その3:MONETプロトコル公開10月14日のNEWS Watch記事参照)
 日経産業新聞1面には、トヨタ自動車が携帯電話回線を利用する自動車向け情報提供サービス「MONET(モネ)」の通信手順(プロトコル)をすべてのカーナビゲーションメーカーに公開したという記事が掲載された。将来のITS(Intelligent Transport Systems:高度道路交通システム)市場拡大をにらんで、「MONET」サービス(携帯電話のデジタル回線とカーナビを使って自動車向けに24時間、リアルタイムで渋滞情報や病院、交番、レストランなどの情報提供とEメールも送受信可能)への顧客の基盤を固めるために公開に踏み切ったとしている。

 日産やベンツ(1月20日のINTERNET Watch記事参照)なども同様な情報提供サービスを来年から始める話もあるようなので、このプロトコル・オープン方策がどこまで拡販に寄与するものか、注目される。

余談その4:今、必要なものは...
 日経新聞33面(首都圏経済版)と日刊工業新聞38面には、関東通産局が27日、金融機関による貸し渋りの実体を把握するため、貸し渋り110番」ページを開設したという記事が掲載された。

 27日のプレスリリースでも、金融機関からの資金調達に当たっての「貸し渋り」の具体的な状況を、関東通商産業局・産業振興部指導課宛にEメール:QKANND@miti.go.jp又はFAX:(03)3213-7904での情報提供を呼びかけている。しかし、ことここまで至って必要とされているものは、調査ではなく具体的な方策なのではないだろうか。

休刊連絡:
 復帰したてで早くも休刊とはとお叱りを受けそうですが、来週の12月1日(月)のNEWS Watchは休刊とさせていただきます。何卒、ご了承の程をお願い致します。m(__)m



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