インターネットなどデジタルメディアでの著作権のあり方などについて、日本のアーティストが立ち上がった。2月1日、音楽家の坂本龍一氏らは、アーティスト自身及び業界関係者による団体「メディア・アーティスト協会(Media Artists Association:MAA)」を発足した。
MAAは、デジタルメディアでの著作権のあり方について、アーティスト自身が率直に議論して問題意識を共有し、意見を発表することを目的に設立された。今後は、定期的に研究会を開催し、そこで出たアーティスト自身の意見をまとめて意見書として公表する予定だ。研究会では、「どのような技術手段を活用すれば、安心してインターネット上で作品を発表・提供出来るのか?」「デジタル・メディア上でアーティスト同士がお互いの著作権を尊重し、ユーザがアーティストの権利を侵害しないようにするためには、どうすればいいのか?」といったテーマが予定されている。
2月1日に開催された第1回例会には、発起人ほか漫画家なども含む様々なアーティスト約50名程が参加、MP3の技術的な解説から、違法MP3の問題、米国のデジタル音楽著作権保護団体「SDMI」の動向などについて活発に議論した。
MAA発起人となったアーティストは次の6名。(50音順)
・ 飯野賢治(ゲーム作家)
発起人の一人である坂本龍一氏は、今年1月の本誌インタビュー('99年1月13日号参照)の中で、「何年か前から全世界的なデジタル系アーティストのユニオンを作れ、と言ってきましたが、いよいよ期が熟したのかもしれません」と語っており、今回の団体設立を示唆していた。
なお、MAAは、アーティスト個人の「会員」と、趣旨に賛同する企業/団体、個人による「賛助会員」で構成される。会員は、音楽家だけに関わらず、CG作家やゲーム作家などすべてのジャンルのアーティストを対象としており、MAA事務局では、今後500名程度の参加を見込んでいるとのこと。
('99/2/2)
[Reported by okiyama@impress.co.jp]