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7日、パソコン関連の総合展「WORLD PC EXPO 99」が千葉県の幕張メッセで開幕した。国内外の744社が出展する展示会、フォーラム、講演会などが11日まで開催される。本誌では、出展品の中から、インターネット関連のものをいくつか紹介していく。
インディジャパンは、WWWブラウザーを自由にカスタマイズできる「ActiveBrowser」を出展した。オリジナルデザインのブラウザーを個人ユーザーでも手軽に作成できるほか、企業やISP、ポータルサイトなどが社員や会員向けに特別な機能を備えたブラウザーを作成することができる。すでに「The Dancing Baby」の公式サイトで、同キャラクターをモチーフにしたオリジナルのActiveBrowserが配布されているという。
ActiveBrowserを作成するツール「ActiveEditor」を10月下旬に6,800円で発売する。同ソフトで作成したActiveBrowserは容量が400~600KBで、メールなどで配布することが可能。ただし、ブラウザーのエンジン部分はInternet ExplorerかNetscapeNavigatorを利用するため、起動するにはこれらのソフトがインストールされている必要がある。なお、今後は企業向けのサービスとして、ブラウザーのエンジン部分も組み込んだActiveBrowserを作成するサービスも予定している。
ブラウザーをカスタマイズするシステムとしては、すでにソフトバンクが韓国のソ フト会社C.C.R.社の「X2Web」を販売している(本誌5月18日号参照)が、実はActiveBrowserも韓国のメーカー、INDI社が開発したもの。国内では、恒陽社グラフィックス事業部が販売元となる。
ハギワラシスコムでは、NTTと神戸製鋼所が開発した携帯音楽プレーヤー「SolidAudio」のOEM製品となる「SD-1」を出展した。SolidAudioは、音声圧縮方式にNTTの開発した「TwinVQ」を採用、固有IDが割り振られたスマートメディアを記録メディアに利用することで不正コピーを防止する。話題のMP3対応ではないが、この手のプレーヤーとしては国内メーカーでいち早く7月に発売した製品だけに、来場者の注目を浴びていた。
SD-1の本体は、大きさが86mm×54mm×10mmで、重さが52g。32MBのメディアを使用すると、最長で200分のデータを記録できる。実勢価格は3万円前後で、Windows 98用、Macintosh用の音声変換ソフトが付属する。なお、メディアにデータを記録するためには、別売のスマートメディアリーダー/ライターが必要。同社からは、専用のリーダー/ライター「SD-R」が発売されている。デジカメなどの画像フォーマットに対応していないため、実勢価格で5,000円前後と低価格になっている。SolidAudioで音楽を楽しむには、最低でもSD-1とSD-R合わせて3万5,000円程度必要となるが、同社によると、やはり著作権の保護機能などがある分、MP3プレーヤーより値段が高くなってしまうのだという。
SolidAudioは、著作権保護機能があることで、インターネットによる音楽配信事業もすでに始まっている。現在、SolidAudioのWebサイトで、インディーズ作品を無料配信しているほか、今後は有料配信も予定している。
ハギワラシスコムでは、SD-1に続き、MP3対応の製品やラジオが聴ける製品などを発売する予定だ。
NTTサテライトコミュニケーションズは、同社の衛星インターネットサービス「Mega Wave」をMacintoshやノートパソコンで利用できる衛星ルータを参考出展した。同社では6月からMega Waveの本格サービスを提供しているが、これを利用するための受信ボードはデスクトップDOS/Vパソコン用しか発売されていなかった。以前からMacintosh用とノート用も提供予定だということはアナウンスされていたが、それが今回、初お目見えとなった。
展示されていたルータは外付けタイプの横置き型。Macintoshに合わせたボンダイブルー/白のツートーンのものと、ノートパソコンに合わせた黒の2種類が展示されていたが、デザインはフィックスではないという。海外メーカー製だということだが、詳細は不明。同じルータで、LAN対応のものも予定しているという。また、この他にも数社が開発中で、同社では今年度内にも提供にこぎつけたいとしているが、発売時期、価格ともに未定だ。
JR西日本は、ニュースや電子書籍、音楽作品、ゲームソフトなどのデジタルコンテンツをダウンロード販売する端末「デジタルキヨスク」を出展した。PCカード、コンパクトフラッシュ、スマートメディアに対応しており、購入したコンテンツをノートパソコンなどで利用できる。
端末自体は、高さが1.5m以上もあるかなり大きめのもので、全面上部にモニター画面、その下にメモリーカードのスロットとコイン/紙幣投入口などが付いている。コンテンツを購入するには、画面を見ながら希望のコンテンツを選択し、代金を投入、、メモリーカードを差し込んで決定ボタンを押すだけ。各コンテンツは100~500円が中心だ。現在は販売実験ということで大阪駅、新大阪駅、京都駅、三ノ宮駅、神戸駅に計30台設置されている。関東地区のユーザーには、実際に触れられるいい機会となるだろう。
('99/9/8)
[Reported by nagasawa@impress.co.jp]