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【業界動向】

三井物産も出資検討~さくら銀行らが準備しているオンライン専業銀行
株の次はインターネットバンキングがターゲット

■URL
http://www.fujitsu.co.jp/hypertext/news/1999/Jul/26-4.html
http://www.softbank.co.jp/

 さくら銀行が中心となって進めている日本初の「インターネット/オンライン専業銀行」に、三井物産が出資を検討していることが12日明らかになった。三井物産によると「現在検討中で、早ければ月内、遅くとも年内には結論を発表できる」としている。

 この新ネット銀行の創設は、さくら銀行と富士通が本年7月に基本合意して準備を進めている。銀行名は未決定で、2000年3月末までの設立、4月以降の営業開始を目標に免許取得等に動いているところ。決済性預金や定期預金、為替、小口ローンなどを取り扱い、100万口座を目指すという。

 発表当初は、資本金200億円程度でさくら銀行90%、富士通10%の資本構成で設立する予定だったが、本年9月には日本生命が10%の資本参加(さくらが80%となる)し、新ネットワークサービスの開発・提供を共同で検討することを決めた。そして、今回ここに三井物産が出資を検討しているというわけだ。

 一方、ソフトバンクは12日、オリックス、東京海上火災保険、イトーヨーカ堂の4社共同で日本債券信用銀行買収に係わる予備的提案書を提出したと発表した。日債銀は経営が破綻して、現在一時国有化されている。これを共同で買収する計画だというわけだ。

 日債銀の譲渡先としては、米国証券のリーマン・ブラザーズやフランスの投資銀行パリバ、米国投資会社KKRなどが名乗りを挙げており日本勢では初めてのこと。ソフトバンクをはじめ、損害保険、リースと異業種が組むのも珍しいが、インターネットを使った銀行・決済業務を手掛けることが目的ではないかとの見方が出ている。ただし、インターネット・バンキング業務を手掛けるだけなら、破綻している銀行を買収するよりも一から新規に銀行業務を申請したほうがよいのではないか、と首をかしげる向きもあった。

 手数料の完全自由化に伴い、インターネットを活用したオンライン・トレードが注目されてきたが、次のターゲットはオンライン・バンキングとなりそうだ。米国では証券と銀行業の分離を定めたGlass-Steagall法が緩和される方向にあり、日本でもそういった動きが出てきている。

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('99/11/12)

[Reported by betsui@impress.co.jp]


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