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【音楽配信】

MAA、音楽配信会社「イーズ・ミュージック」に関する疑問を表明

■URL
http://www.maa.gr.jp/propose/19991118.html
http://www.softbank.co.jp/sbadmin/news/991111.htm

 音楽家の坂本龍一氏らの発起によるメディア・アーティスト協会(MAA)は、今月発表された音楽配信サービスの新会社「イーズ・ミュージック株式会社」の設立に関連する疑問を表明した。現在、MAAのサイトに内容を掲載している。

 イーズ・ミュージックは、ソフトバンク・コマース株式会社、ヤフー株式会社、ミュージシャンの向谷実氏らによって12月に設立が予定されている音楽配信サービス会社(本誌11月11日号参照)。向谷氏は、代表取締役副社長に就任することが決まっている。JASRACが提唱する音楽著作権管理のデジタル化構想「DAWN2001」に準拠するのが特徴で、1曲100円程度に予定した楽曲の値段も話題になった。

 MAAの文書は、「今回のイーズ・ミュージック株式会社はJASRACのお墨付が付いているという雰囲気に満ちている」という書き出しで始まり、設立会見にJASRAC常任理事が一私企業の設立会見に立ち会っている点、JASRACの評議員である向谷氏が自ら出資し代表取締役副社長に就任している点をあげ、「事業指針にはいくつか疑問がある」としている。ほかの疑問点としては、イーズ・ミュージックが1曲100円程度で配信できるというコンセプトが、あたかもJASRACがその料金での配信を正当だと承認したと受け取られかねないこと、向谷氏の発言がJASRACの評議員としての発言なのかイーズ・ミュージック役員としての発言なのかわからない、といった点を上げている。MAAでは、今回の提言をJASRACに郵送で提出する。また、ページでは「MAA会員の意見交換用BBS」を開設している(書き込みはMAA会員のみ。閲覧は非会員でも可能)。

祝賀会 おりしもMAAから意見が公表された同日同時間、JASRACの「創立60周年記念祝賀会」が都内ホテルで開催されていた。こちらは、小渕総理らも出席するなど盛大な会であった。会場で関係者に聞いたところ、今回のイーズ・ミュージック関連の件については、向谷氏の評議委員としての地位も含め、JASRAC内でも議論を呼んでいるとのこと。また、イーズ・ミュージックとJASRACの関係については、“提携”ではなく、「単にJASRACが提言するデジタル著作権管理システム『DAWN2001』を利用する1企業という位置付け」、「日経産業新聞の報道でかなり誤解を招いている」との声も聞かれた。

('99/11/18)

[Reported by okiyama@impress.co.jp]


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ウォッチ編集部INTERNET Watch担当internet-watch-info@impress.co.jp