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【通信事業】

NTT、ADSLによる定額制アクセスの試験サービス
懸案だった“回線使用料”も決定

■URL
http://www.ntt-east.co.jp/senyo/ADSL/ (12月10日より)
http://www.ntt-west.co.jp/adsl/ (12月10日より)
http://www.ntt-east.co.jp/release/9912/991209.html (プレスリリース)

 NTT東日本とNTT西日本は9日、ADSLを利用した定額制アクセスサービスを東京、大阪、大分の一部エリアで12月下旬より試験提供すると発表した。月額5,100円で下り最大512kbps、上り最大224kbpsの常時接続が利用できるようになる。

 加入者回線を電話と共用する場合で、回線使用料が月額4,300円、ADSLモデムおよびスプリッターの使用料が月額800円、工事費が1万9,300円となっている。ただし、これはアクセスサービスのみの料金で、実際にインターネットを利用するにはこの他にISPの利用料金が発生する。なお、ADSLは電話とデータ通信を1本の回線で相乗りできるのが特徴だが、加入者回線を電話と共用せず、ADSL専用で使えるサービスも提供する。こちらは、回線使用料が月額6,000円、ADSLモデムの使用料が月額700円、工事費が1万6,800円となっている。

 このほか、ADSLサービスを予定している東京めたりっく通信などとの間で調整が進められていた“回線使用料”も正式に決定した。電話と回線を共用する場合で月額800円、工事費が2,800円となる。また、電話と共用しない場合は月額2,600円、工事費2,000円と決定した。こちらは、周波数が重なるために電話と相乗りできない、上下対称式のSDSLサービスなどにも適用されると思われる。東京めたりっく通信のほか、大分県のISP「ニューコアラ」が今月内にもADSLサービスを開始する予定だ。

 試験サービスの提供期間は1年間で、ISDNとの相互干渉など技術的な検証を行なうのが目的だ。提供エリアは、東京が茅場兜/青山/三田/四谷/淀橋/池袋の6収容局管内(中央区/港区/新宿区/渋谷区/豊島区)、大阪が大阪中央/東/大阪北/北/大阪淀川の5収容局管内(中央区/北区/淀川区)、大分が大分府内収容局(大分市)。詳しい局番は、上記URLで公開する。ただし、ADSLは回線状況などにより通信品質が変化するため、エリア内でも利用できないこともあり得る。このためNTTでは、通信品質を確認し、回線の収容替えなどを行なう回線調整のサービスも用意した。

 なお、電話の加入者はすでに基本料金として回線使用料を支払っているため、回線使用料は無料にすべきとの考え方もあるが、今回の回線使用料についてNTT地域会社では「メタル回線に関する減価償却費や保守費は含んでおらず、ADSLサービスの提供に伴い追加的に発生する費用」と説明している。

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(1999/12/9)

[Reported by nagasawa@impress.co.jp]


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