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【業界動向】

ナスダック・ジャパン、Applied Materialsなど外国企業の上場を検討

■URL
http://www.appliedmaterials.com/
http://www.appliedmaterials.co.jp/

 世界最大の半導体製造装置メーカーである米国Applied Materialsの会長兼最高経営責任者 (CEO) のJames C.Morgan氏が11日に来日し説明会を開いた。

 説明会のなかで、Morgan氏は「6月から取引開始を予定しているナスダック・ジャパンに外国企業として(米国Applied Materialsが)上場を検討している」と述べた。準備が整い次第上場するかまえだ。日本には日本法人としてアプライド マテリアルズ ジャパンがあるが、この日本法人の株式公開・上場の予定はないという。

 米国Appliedは、米国Nasdaqにすでに上場している。ティッカーシンボルはAMAT。5月10日の株価は84 5/8ドルで、過去52週の高値は115ドル、同安値は26 3/8ドル。時価総額は約680億ドルで、これは米国株式市場の全上場・公開企業(外国企業も含む)のなかで58位、米国企業(NYSEも含む)で41位、Nasdaq企業で8位の水準となっている。トップ10に入っており、いわばNasdaqの代表格ともいえよう。

 同社は、世界最大の半導体製造装置メーカーで、ライバルとしてはASM Lithography、ニコン、東京エレクトロンがある。

 一方、この説明会に同席した佐伯達之ナスダック・ジャパン代表取締役社長は「この夏に日本企業が順次上場したあと、日本以外の企業が上場できるようにするため、ナスダック・ジャパンのなかにインターナショナルセクションを開設する方向で検討していく」と述べた。

 この発言についてナスダック・ジャパンでは「そういった方向で検討していくことはあるだろうが、日程をはじめまだ何も決まっていない。それに、あくまでもこういったことを決めるのは大阪証券取引所」(広報)と答え、あいまいな言い方に終止した。

 また、大阪証券取引所では「そうした発言内容が東京であったことは知っているが、具体的にこちらで現在作業を進めているといったことはまったくない」としている。

東証外国部上場企業数の推移
*上場廃止もしくは新規上場があった年の年末の
社数。1978年から1981年は廃止も新規もなかった。
 日本の取引所での外国株の取引は活発ではない。例えば、東証外国部の上場企業数は1991年12月4日から30日までの127社をピークとして撤退というかたちでの上場廃止が相次ぎ(上場廃止される場合には、合併や買収によるものもある)、現在のところ本年6月30日にはドイツの3大化学会社のひとつヘキストが上場廃止となり、上場会社数は42社になる予定。

 東証もアジア企業の上場を認めるなどこれまで何度か活性化策をとったが、企業数の減少傾向はおさまっていない。撤退の理由のほぼすべてが、東証での流動性の低さや、それに見合わない上場維持費用などとなっている。日本で外国株を取り引きする市場を作るには、この点を十分に考えなければならない。

 また、大証でいえば、同取引所にはすでに外国株を取引する市場がある。カントリーファンド(会社型投資信託)を取り引きする市場もある。ナスダック・ジャパンで外国企業を扱うとなると、これら既存の大証の市場との関係がどうなるかも今のところ不透明だ。

 ただし、この点については外国企業に限らず、ナスダック・ジャパン市場を開設しながら、大証には1998年年12月にベンチャー企業の育成のため開設された「大証新市場」(本年5月31日に新規上場するレンタル用ソフト卸しの音通で上場4社目)がそのまま残っていることから、大証のものとは区別されることになるのだろう。それにしても、大阪証券取引所は複雑になってきた。

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(2000/5/11)

[Reported by betsui@impress.co.jp]


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