■URL
http://www.liquidaudio.co.jp/
大神田社長 |
まず、2000年6月期通期の業績予想については、配信先が増えてきたことで売上高は3億4,000万円と上方修正したが、利益については経常利益が9億3,400万円の損失、純利益が9億5,200万円の損失と下方修正した。
下方修正の理由としては、まず人件費の増大を挙げた。役員を含む従業員数は、配信先が増えたことに伴ない、昨年6月末の17人、本年3月末の45人から現在51人と大幅に増員した。
また、本年3月に米国Liquid Audioとソフトウェア、技術について新たなライセンス契約を締結したことで、昨年11月26日に締結した業務契約を発展させたため、これに伴ない、1億2,000万円の契約償却費が発生したという。新たなライセンス契約によって、米国Liquidに対して今後2年間に追加500万ドルの支払いが必要となるものの、ソフトウェア以外の販売に対するロイヤリティの支払いは、今後4年間にわたり平均して約35%低減されるとしている。なお、米国Liquidとの独占契約は2003年に終了する。
来期の業績については、単年度で黒字化する予想に変化はない。システムインフラはすでに構築が終わっており、人件費もある程度の水準になったらそれ以上増やさない方針。コストがこれまでのようにかからないため、収入がほぼそのまま利益に結びつく見込みだという。
会場では三洋電機のプレーヤーのデモも |
また、銅線を使ったxDSLや来年5月から予定されているIMT-2000など次世代携帯電話の普及など通信環境の改善などに伴なう音楽や映像配信の広がりにも大いに期待できるとしている。
事業展開の面では、椎名林檎の発売前のアルバムの中の1曲を、3月に2週間(実質10日間)の期間限定でプロモーション目的で無償配信実験し、ダウンロード(完了ベース)数が2万5,000件あった。これに続き、5月25日からはともさかりえの曲を同様に無償配信する。このような無償配信の実験は夏まで随時行なっていく見込み。
また、これまで同社は一貫して「ユーザー側からは見えない裏方として配信ソリューションを提供していく」としてきた。しかし、一部のレコードレーベルから配信権を買収してくれないかとの案件が来ており、消極的ではあるものの現在コンテンツ管理会社の100%子会社としての設立を検討中だという。
会社説明が終わり質問を受け付けたが、インターネットの掲示板や雑誌などで噂されている暴力団関係とのつながりなどについての質問が多く、大神田社長はこれについて一通り答えた。
大神田社長はスーパーステージ(現在リキッドの大株主)に入社する前に自動車販売会社パパイノエールという会社に総務部長の肩書きをもち、この販社の社長がいわゆる車庫飛ばしの容疑で逮捕され、さらにこの販社が暴力団関係のフロント企業であると報じられていることに関しては「平成6年から7年まで在籍していたことは確かだが従業員ではなかった。当時は有限会社大神田商事で経理のアウトソーシング事業を行なっていたため、その仕事をとして経理を手掛けていただけで違法行為はなかった。暴力団関係の会社とは知らなかったし、今でもフロント企業だったかどうかわからない」と述べた。
また、この販社の社長から2月に金銭を請求されたことに対しては「金銭トラブルはあったが弁護士を通して解決している。今後何かあっても弁護士を通じて対処していく」と述べ、この件に関して取り調べがあったかどうかについては「取り調べはなかったが、警察には協力できることがあればすると自ら言った」としている。
スーパーステージに競売物件の占有疑惑があることについては「事実ではない。むしろ所有者との円満解決する方向に持っていった」と答えた。
このほか、本年1月末に行なった上場パーティーについては「アナリストに音楽配信に関しての実感がないなどさまざまに批判を受けたが、アーティストから支持を受けているという主旨で行なった。派手になってしまったために批判を受けたのだが、個別に誰が来たかは把握していない。暴力団関係者を呼んだ覚えもない。パーティーの費用については1億とも5億ともいわれているが、確かに事前の見積もりよりは高かったが5,000万円だった」とした。
最後に、身体的に一部不自由な事に関して「念のため断っておくが、実家が農家で幼稚園の頃農具で事故に遭ったためで、暴力団にやられたわけではない」と加えた。
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(2000/5/16)
[Reported by betsui@impress.co.jp]