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http://www.nasdaq-japan.com/
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6月19日から取引が開始された「大阪証券取引所・ナスダック・ジャパン市場」を大阪証券取引所とともに開設・運営しているナスダック・ジャパン株式会社に、野村證券、大和證券グループ、日興證券の大手3大証券が今秋にも出資する見通しと、6月21日付の大手新聞が報じた。
ナスダック・ジャパンは、ナスダック・ジャパン市場を開設・運営するために全米証券業協会(NASD)とソフトバンクが折半出資で設立した営利を目的とする民間企業。
報じられた内容について各証券会社は、それぞれ次のように答えている。
野村證券では「報じられた内容について、正式な話は来ていない。当社としては、サービス面で協力できる点は協力していくかまえだが、出資については検討をまったくしていない」としている。
また、大和證券グループは「正式な話があったのかどうかグループ内でも調べたが、そのような話しはまったく来てない。正式な話しがあれば検討するかもしれないが、現状ではなんともいえないし、何も行動していない」としている。
さらに、日興證券でも「業務上では前向きに協力していきたいとは考えているが、出資の話しは何も決定していない。正式な話しがあったかどうかも何ともいえない」としており、3社とも具体的な話しには進んでいないようだ。野村と大和にいたっては、正式な話しが来ていないことを明言した。
一方、この報道に対して当事者のナスダック・ジャパン広報では「こちらからコメントすることは何もない」と述べた。「どうしてコメントできないのか」と尋ねると「相手がいることなので」と答え、「では、報じられた内容は間違いか」と、さらに尋ねてみると「そうは言っていないが、とにかく何も答えることはない」と繰り返し返答した。今回の件のみならず、問い合わせなどをすると以前から同社の広報は「取り付く島もない」といった感が強い。
ここ最近、ナスダック・ジャパン社長の佐伯達之氏は「(ソフトバンクがナスダック・ジャパンを私市場化するのではという懸念に対し)秋には第3者割り当て増資を検討しており、その際にはソフトバンクの出資比率も下がるだろう」と公言している。また、「さまざまな方々に広く協力を求めていく」とも述べているので、今回のように大手証券会社に協力を仰ぐことは当然有りうる話しだろう。
もうひとつ付け加えると、6月19日に東京で行なわれたナスダック・ジャパン売買開始に伴う記者会見では、佐伯氏と日本ナスダック協会会長の樋口廣太郎氏がともに「この日が迎えられたのは報道関係者のおかげもあり感謝している」との内容を繰り返し発言していた。これが社交辞令や嫌味ではないのならば、もう少しタイムリーに対応してくれてもよいのではないかと考えるのだが。
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(2000/6/21)
[Reported by betsui@impress.co.jp]