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【業界動向】

ヤフーとPIMの合併を正式に発表~第1四半期決算説明会で

■URL
http://www.yahoo.co.jp/ (ヤフー)
http://www.pim.ne.jp/ (PIM)
http://www.dosule.com/ (DoSule!)

 ヤフー(4689)は14日、ピー・アイ・エム(PIM)との正式な合併合意と第1四半期(4-6月期)決算を発表した。

井上社長
(基本的にヤフーの決算説明会のためか、PIMの人はいなかったようだ)
 PIMは、iモードやEZweb、J-スカイ対応端末など、インターネット接続機能を持つ携帯電話をはじめとするモバイル機器に対応したPIM(Personal Information Manager、個人情報管理)アプリケーションサービス「DoSule!(ドースル)」を今年4月から提供している。同サービスは、正式開始から3ヶ月で4万人のユーザーを有する。ヤフーと同社は、今年6月8日に合併に向けた協議を行なっていくことで合意したと発表していたが、それが今回正式に合併する決議をした。ヤフーがPIMを吸収合併するかたちとなる。

 合併の狙いは、6月からサービスを開始した「Yahoo!モバイル」の早期サービス拡大。PIMは吸収合併されるので会社としては解散するかたちとなるが、同社の「DoSule!」やASP(Application Service Provider)サービスは合併後も継続されるため、PIMにとっても日本最大級のアクセス数を誇るサイトと結合することによる効果が期待できるというわけだ。

 また、ヤフーは携帯端末先進国の日本として、合併による効果も含めたモバイルインターネットのビジネスモデルを構築し、これを全世界24カ国・地域のYahoo!サービスにもノウハウを提供していくかまえ。

 ヤフーとPIMの合併比率は1対0.05556で、PIMの株式18株に対しヤフーの株式1株を割り当てる。合併に伴ない、ヤフーは110株(5万円額面)の新株を発行し、発行済み株式総数は5万8,149.5株になる。合併期日は今年9月1日で、合併後のヤフーの資本金は29億700万円(合併前29億100万円)。

 一方、ヤフーの第1四半期決算は、売上比率93%と圧倒的な広告事業が6月に売上、件数とも過去最高になるなど伸長したため、売上高が23億8,500万円と前年同期比2.7倍増、8四半期連続で過去最高を記録した。

 第1四半期のページビュー(PV)は、1日あたりがはじめて9,500万PVを突破し、月間でも26億5,082万PVに達し、前年同月のPVに比べて3.6倍増加した。なお、7月6日には1日あたりPVが1億ページビューを突破。

 利益面では、インターネット非ユーザーへの認知度向上を目的にテレビCMなどを展開し、広告宣伝費が2億9,200万円と前年同期の3百万円から大幅に膨らんだが、売上の増大や売上原価の減少などから営業利益は8億6,600万円と前年同期比2.6倍増。経常利益が8億8,000万円と同2.7倍増。営業、経常ともに8四半期連続で過去最高益を更新した。純利益は4億9,400万円と同2.8倍増。

 今後の重点戦略として同社では、e-コマース事業、デバイスの多様化への対応、リッチメディアへの対応の3つを挙げている。

 e-コマース事業では、Yahoo!ショッピングで本格的に最大手を狙いにいく。現在、出店数は82店舗、商品数は約6万アイテム、手数料収入は1,034万円(第1四半期)、テナント料収入792万円(同)となっている。社内にショッピング特別プロジェクトチームを結成し注力していく。

 また、オークションは国内で圧倒的な立場にあるが、オークション犯罪への対応として8月にエスクロー(第3者寄託)サービスを導入する予定。これは、品物を渡さない、代金を払わないなど出品者・落札者による詐欺行為を防ぐための仕組みで、第3者が買い手と売り手の間に入り、代金や品物の受け渡しを仲介する。エスクローの利用はユーザーが判断し、複数のエスクローからユーザーが選択できる。

 デバイスの多様化対応については、どんな道具、どんな場所からでもいつでもYahoo!にアクセスできる「Yahoo!Everywhere」を目指す。Yahoo!モバイルでは現在iモードでの利用のみだが、それ以外の端末にも順次対応していく。広告的には、小さな画面で表示させることに広告主、ユーザーが受け入れてくれるかどうか分からなかったため「もともとはじめるときにビジネスモデルは無く、広告の期待もゼロだった」(井上雅博代表取締役社長)というが、いざスタートしてみると「広告主から広告を出したいとする要望があり、小さな画面にも広告を張ることが一般的になりそうな感もある」としている。それでも、いまだテスト的な試みで第1四半期のモバイル向け広告収入はおよそ100万円あったようだ。

 リッチメディア対応としては、ブロードキャスト・コムとの合併により動画・音声情報の提供を積極化していく。

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(2000/7/14)

[Reported by betsui@impress.co.jp]


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