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【音楽配信】

人気バンドOffspring、ニューアルバムをMP3で公開――レコード会社「中抜き」

■URL
http://www.offspring.com/site/news/news63.html
http://www.napster.com/speakout/artists.html
http://www.offspring.com/napster.html

 米国の人気バンドOffspringは、新曲「Orignal Prankster」を9月29日から自身のサイトやMTV.comなどの音楽サイトを通じて無償で公開すると発表した。また、この曲を含むニューアルバム「Conspiracy Of One」も全曲MP3で無償公開する。

 ニューアルバムは、MP3による無償配布の後、11月にCDで発売される。そちらではCDエクストラ形式でオンラインのファンクラブ「The Offspring Nation」にアクセスできるようになっており、特別コンテンツの提供や収録されていない楽曲のダウンロードサービスなどを受けられるといった特典を提供するという。

 今回の発表で注目されるのは、レコード会社の介在なしにバンド自身が配信を公表している点。CDには数々の特典を付けるなど、リスナーに対し最終的にパッケージの購買を喚起させるものにはなっているが、収録曲が事前にすべて無料で公開されることについてレコード会社側の激しい反発が予想される。

 なお、アーティスト自らがWebサイトで(レコード会社のバックアップなしに)楽曲を配信しようとした例としては、ラップグループ「PUBLIC ENEMY」がある。同グループは、1998年末にニューアルバムの収録曲から毎週2曲をMP3で公開していくとアナウンスしたところ、所属レコード会社Polygram/Universalから差し止めにあった。その後、PUBLIC ENEMYは、Polygram/Universalを離れ、インターネット上のレコード会社Atomic Popに移籍し活動を続けている。

 今回のOffspringは、すでに全世界で2,600万枚のCDを売り上げているだけに、レコード会社から見て「ドル箱」的存在。個別のレコード会社に与える影響としてはPUBLIC ENEMY以上に大きいと言えそうだ。また、今回のダウンロードには、100万ドルが当たる懸賞や、メールによる情報提供などファンに向けたサービスも含まれている、それらは、無料のダウンロードサービスがCDのプロモーション/マーケティングのツールとして本当に有効かどうかを見せる例として、単なる「アーティスト対レコード会社の戦い」の構図に留まらない重要さを持っている。

 なお、Offspringは、1993年にデビューしたパンク系のバンドで、以前よりインターネット上の音楽配信には積極的な姿勢を見せている。音楽ファイル交換ソフト「Napster」に関して擁護派の立場を明確に表明しており、Limp BizkitやRadioheadらの人気バンドとともに、「Napsterをサポートするアーティストのリスト」に名を連ねている。また、自身のサイトでも「Napsterはプロモーションツールとして有効」といった意見を掲載している。

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(2000/9/18)

[Reported by okiyama@impress.co.jp]


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