【業界動向】

FTC、米AOLとTime Warnerの合併を承認 ~他ISPを保護する条件付きで

■URL
http://www.ftc.gov/opa/2000/12/aol.htm (FTCの声明)
http://cgi.timewarner.com/cgi-bin/corp/news/index.cgi?template=article&article_id=200697
 (Time Warnerの発表。AOLも同内容の発表を掲載)

 米連邦取引委員会(以下FTC)は、米America Online(以下AOL)と米Time Warnerの合併計画について、条件付きで承認することを発表した。これに伴い、両社は早ければ年内、もしくは2001年明けに合併を完了する。

 両社は今年1月に合併を電撃発表したが、「インターネットとCATV市場での公正な競争を阻止する」「音楽などエンターテインメント情報のデジタル配信で独占的な立場となる」などの観点で、合併を反対する米Disneyや米NBCが意見書を提出したり、欧州委員会(EC)より懸念が表明されていた(ECはその後条件付で承認)。
 FTCは「この強力な2社の合併で、他社によるブロードバンド技術普及が、広い意味で阻害されることを懸念していた」(FTC・Robert Pitofsky議長)が、結果として、競合他社によるブロードバンド普及の妨げとならないよう、条件をつけて承認した形となった。

 合併承認条件の主な内容は以下のとおり。これらは5年間有効となっている

・少なくとも1社の資本関係を持たないISPが、AOLよりも先にTime WarnerのCATV網を利用したブロードバンド接続サービスを開始できるようにする。またAOLがTime WarnerのCATV網利用のサービスを開始して90日以内に、さらに2社の資本関係を持たないプロバイダーにもCATV網を開放すること。

・AOL Time Warnerのコンテンツが、他のISPで配信されることを妨げてはならない。また同社が自らのCATV網で自社コンテンツを流す際は、それと識別できる信号を加えて送信すること。また双方向TVサービスにも送信すること。

・Time WarnerのCATVエリアの加入者に、AOLのDSLサービスを、AOL Time WarnerのCATVサービスが利用できない地域と同等のサービス・値段で提供すること。

 AOLとTime Warnerの両社は「FTCの承認は消費者の勝利であり、先に発表した我々のCATV網開放の確約を前進させるものだ」として、歓迎を表明している。

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(2000/12/15)

[Reported by aoki-m@impress.co.jp / hiro@nakajima-gumi.net]


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