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■URL
http://www.enc.or.jp/ (電子ネットワーク協議会)
電子ネットワーク協議会の国分明男専務理事
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会合では「関連組織における相談・苦情処理の現状と課題」として、警視庁、国民生活センター、ニフティ株式会社、通商産業省の4組織から代表が登場。各現場での相談・苦情処理の現状をレポートした。
警視庁ハイテク犯罪対策総合センター所長の渡邉吉松氏は、「今年は昨年に比べ、相談受理件数が約3.3倍に増加している」と述べ、特にネットオークション関連の詐欺増加が目立つことを指摘した。2000年の受理件数は、11月末で3,645件、それ以降も増えているという。またネット対応携帯電話による詐欺や、少年によるネット詐欺など、これまで見られなかったタイプの犯罪が増加している傾向も明らかにした。なお、この件数のなかでは他道府県からの相談も半数ほど含まれているという。
一方、国民生活センター相談課の伊東麻氏は「2000年のインターネット関連の苦情相談件数は、12月20日までで7,013件」と発言。問合せの数字を抜いた数でもこれだけに上るという。相談の特徴と難しさとして、「相談者・行政の相談窓口・事業者で、それぞれ理解や知識が異なる点が、相談対応や解決が難しい一因となっている」と、対応の複雑さを説明した。相談者の知識不足や勘違いといった問題に加え、家族の利用状況についての相談など、相談者が当事者と限らない面がある点も、複雑さを増しているという。
またニフティ法務・海外部の丸橋透氏は、同社のクレーム処理の流れを、実例を含めつつ解説。苦情・相談の通報者のニーズに応じながらも、基本的には事後対応、プロバイダーによる強制削除も濫用はできないなど、制約が多い点を示していた。他にも、弁護士や神奈川県警などの出席者らによる意見交換が行なわれた。
電子ネットワーク協議会では、まず相談・苦情窓口としての組織の活動内容をまとめて現状と課題を整理し、そのえで「インターネット関連の相談・苦情ポータル」となるWebサイトの設置を当面の目標とした活動を展開すると発表した。またこれから年明けにかけて、さまざまな組織からの参加を募っていく予定だ。
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(2000/12/22)
[Reported by aoki-m@impress.co.jp]