【調査報告】

例えNapsterは消えてもP2P型のファイル交換サービスは拡大~米Gartner調査

■URL
http://www4.gartner.com/5_about/press_room/pr20010213b.html

 米Napsterに対する著作権侵害の控訴審判決を受け、米Gartner Groupは13日、「Napsterの検索ディレクトリはなくなるかもしれないが、ピアツーピア(P2P)型のファイル交換サービスは今後も拡大を続ける」とする調査報告を発表した。

 12日、サンフランシスコ連邦控訴裁判所は、Napsterに対し「著作権を持つ作品の大量交換を容易にする集中型ディレクトリを作成することは違法だ」との判断を下した。また、このようなディレクトリを管理する技術的手段を持たないとするNapster側の主張を退けた。

 しかし、今回の判決で最も重要なのは、P2P型のファイル交換サービスは、例えサービスが著作権侵害の違法行為に使われる可能性があったとしても、サービス自体は違法ではないと裁判所が判断したことにある。ユーザーがどのようなファイルを交換しているかや、違法行為を止めさせることが技術的に可能であることを知りさえすれば、P2P型のファイル交換サービスは成功するとGartnerは分析している。

 同社アナリストのRob Batchelder氏は「今回の裁判所の判決と、P2P技術が進歩するペースを考えると、音楽業界が数カ月後には、P2P型のファイル交換サービスを撲滅するよりも包含したビジネスモデルを創成するだろう。AimsterなどのP2P型ファイル交換サイトが証明しているように、『Don't ask, don't tell』(尋ねるな、教えるな)といった手段で勝利を得られるだろう」と分析している。

 また、同社アナリストのPJ McNealy氏は「音楽業界は今後も技術革新との戦いを続けていくことになる。業界はそのエネルギーを、裁判所で争うことに使うよりも技術との提携に費やすべきだ」と提言している。

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(2001/2/14)

[Reported by hiro@nakajima-gumi.net]


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