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ルートは、同社の無線ルーター製品をアクセスポイントとして活用し、移動体から最大11Mbpsのインターネット接続が行なえるシステムの実証実験に成功したと発表した。
実験は、九州システム情報技術研究所、東京工業大学、京都大学、トランス・ニュー・テクノロジーとの共同研究グループによって実施された。ルートの無線ルーター製品「RGW2400」をベースに、認証システムや高速ハンドオーバー技術などを追加。モバイルユーザーからの接続を想定したサービスに対応した。RGW2400は、2.4GHz帯を使用して最大11Mbpsの無線通信が可能な、IEEE 802.11b準拠の製品。本来は固定網向けの仕様だったため、不特定多数のユーザーが接続する公衆サービスへ転用するには、ユーザー認証などのセキュリティ面を強化する必要があった。
実験では、福岡市内の電柱に設置された3カ所の無線ルーターを基地局に設定。PCカード形の無線子機をインストールしたノートパソコンから接続し、インターネットのストリームコンテンツを再生した。その結果、基地局間を移動しても、アプリケーションが途切れることなく利用できたとしている。今回は狭いエリアでの実験だったため、移動は歩くスピードだったが、自動車からでも可能になるとしている。
ルートでは、引き続き実験を行ないながら、早期の製品化を目指す。RGW2400には組み込みOSとしてNetBSDが採用されているため、モバイル対応の新機能を後から拡張することは比較的容易だという。一方、クライアント側の無線カードについても、ドライバーやファームウェアの変更により対応できるとしている。今後は、製品化に向けた低価格化や小型携帯端末の開発が課題となる。
スピードネットがようやく商用サービスの開始をアナウンスするなど、2.4GHz帯の無線LANを利用したアクセス回線サービスが本格化しようとしている。さらに今回ルートが実験に成功したようなシステムが実用化されれば、固定ユーザーだけでなく、モバイルユーザーに対しても無線LANが活用できることになる。そうなれば、無線基地局が設置されたエリアで、ユーザーは街を歩きながら“電柱につなぐ”感覚で高速インターネット接続が利用できるようになるわけだ。
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(2001/3/23)
[Reported by nagasawa@impress.co.jp]