【業界動向】

ダブルクリック、メール広告や携帯電話事業に重点 ~説明会で発表

■URL
http://www2.doubleclick.net/jp/

ダブルクリックの木戸氏
 インターネット広告企業のダブルクリック株式会社は、ナスダック・ジャパンに株式公開後、初の記者説明会を行なった。バナー広告配信技術「DART」を利用した広告配信や「DART」技術の他社提供など、バナー広告のイメージが強い同社だが、オプトインメールや携帯電話向けサービスなどで事業を拡大する方向を示している。

 ダブルクリック代表取締役CEOの木戸孝氏は、ダブルクリックの強みを「国内の同業種では唯一のグローバルカンパニーであり、国際的な広告配信や、信頼性の高い広告配信が可能であること。また高いテクノロジーを持っていること」と述べた。また広告主から代理店、メディアレップ、メディアにいたるまで、一貫した広告配信サービスや技術を提供できる点を強調した。
 そのうえで、ターゲットを絞った広告配信として、メール広告(オプトインメール)が非常に効果的であることに触れ、日本でも7月から新たなメールマーケティング事業を行なうと表明した。4月に米DoubleClickが買収したFloNetworksの技術を元にした、ASP形式でのソリューション提供となる。通常のメール広告配信に比べて5~10倍の配信スピードを持ち、顧客の属性ごとにカスタマイズした配信が可能となる。またメールの配信結果やHTMLメールの開封率、クリックレスポンスなどをレポートする機能も持つ。米国ではすでにProcter&GambleやL.L.Beanなど、150社が採用したという。

 さらに、3月より開始した携帯電話向け広告配信事業を強化し、株式会社アクセスと共同で、携帯電話向けにパーソナライズやターゲティングが可能な広告配信技術を開発すると発表した。同社のワイヤレス事業部長・深堀恵三氏は「携帯電話は個人が持っており、また同じ人間でも時間と場所で欲しい情報が違ってくる。『ぴあ』でも一人が使うのは全体のうち数ページのみだが、この数ページを届けることがテーマ」として、広告からコンテンツまでを含めた携帯向け配信を可能にすることを目指していると述べた。夏をメドに仕様を固め、年内にトライアルを開始したいという。

 また、広告配信やパーソナライズで不可欠なプライバシー問題については、米国でのプライバシー侵害訴訟で勝利をほぼ確定したことを報告し、米国に続いて日本でも専任のCPO(Chief Privacy Officer)を任命したことを発表した。専任のCPOは日本ではまだ数少ない存在だ。また匿名性や拒否権(オプトアウト)を明示した共通のプライバシー・ポリシーを世界のダブルクリック各社で採用し、Webサイト上で公開している点などを挙げ、プライバシーに配慮している点を強調していた。

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(2001/5/9)

[Reported by aoki-m@impress.co.jp]


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