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常識的なサイズに収まった電力線モデム(上)の隣では、FTTH実験で協力する吉本興業の映像コンテンツ「明日があるさ」が延々と流れていた(下) |
東京通信ネットワーク(TTNet)のブースでは、東京電力やスピードネット、データセンターのアット東京など、東電グループの手がけるブロードバンド関連事業が紹介されている。
電力会社ということで、期待されている電力線通信についても取り組みが紹介されており、日立製作所が開発したという電力線モデムが展示されていた。同モデムは、真っ赤なプラスチックを用いた曲線的なデザインの横置き型で、設置面積はA5サイズ程度だろうか。インターフェイスは、後部にLAN側に用意されたEthernetと思われる端子が1つ付いているほかは、電源コードが1本出ているだけ。WAN側はこの電源コードを共用する形となるわけだ。
以前取材した九州電力の実験用モデムがデスクトップパソコンの本体並みの大きさだったのに対し、今回展示されたモデムがあまりにもコンパクトなため、最初はモックアップなのではないかと思ったが、実際に稼働するものだという。30MHzまでの周波数帯を利用し、最大10Mbpsの通信が可能になるとしている。
なお、現在日本国内で電力線でデータ通信用に利用できる周波数は450KHzまでと規制されている。したがって同モデムを使った実験も研究所内に止まっており、今のところフィールド実験の予定はないということだ。ただし、最近では日本でも規制の緩和へ向けた検討が始まっており、東電はもちろん、モデムメーカーなどがこの活動に参加している。展示担当者によると、現在の取り組みはそれをある程度見据えたものだとしており、もし規制が緩和されればすぐにでも電力線によるアクセスサービスが提供できるように、現在“仕込み”を行なっているのだとしている。
このほか東電とTTNetが7月から開始するFTTH実験についても、実験に協力する吉本興業の映像コンテンツを流しながら紹介していた。また、ステージではスピードネットのサービスを紹介しており、来場者の関心を集めていた。すでにスタートした無線によるアクセスメニューだけでなく、今夏にも開始が予定されている有線によるアクセスメニューも触れられたが、回線速度について帯域共有型の最高10Mbpsと説明するに止まり、気になる月額料金や初期費用については「調整中」とされた。
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■特集 まだアテにしてはいけない“電力線インターネット”
(2001/6/8)
[Reported by nagasawa@impress.co.jp]