【調査結果】

「インターネット白書2001」から注目データをクローズアップ(3)
 世界のインターネット人口は3億人、普及率では北欧がダントツ

■URL
http://www.impress.co.jp/info/release/pages/20010625_1.htm

アジア太平洋地域の国別インターネット普及率(クリックしてご覧ください)
 「インターネット白書2001」に掲載の調査結果から注目データを取り上げる短期連載、今回は世界のインターネット状況と、その中での日本の位置を見てみよう。

 2000年末時点での世界のインターネット人口は、約2億8,600万人。その内訳は、アメリカが1億200万人、カナダが1,300万人、ヨーロッパが7,250万人、日本が3,040万人、日本を除くアジア太平洋地域が6,110万人、南アメリカが420万人、その他が300万人となっている。2000年末時点でこの数字なので、現在では3億人を突破しているのは確実だろう。
 前年との伸び率で見ると、世界全体では前年の1.48倍。特に伸びているのが日本以外のアジア・太平洋地域(前年比2.26倍、以下同)と南アメリカ(1.82倍)だが、日本も世界平均を上回る1.66倍となっている。全体に占める割合はアメリカが依然大きいが、飽和状態に近づいており、その分アジア・太平洋や南米の伸びが目立つ。

 アジア・太平洋地域に限ると、インターネット人口では日本が依然1位を保っている。2000年末の調査で、1位から日本(3,040万人)、中国(1,800万人)、韓国(1,620万人)、台湾(790万人)、オーストラリア(690万人)、インド(310万人)、マレーシア(280万人)、香港(190万人)、タイ(125万人)、ニュージーランド(110万人)がトップテンだ。しかし、国別のインターネット普及率となると、この順位はガラッと変わる。同じく2000年末調査の1位がオーストラリア(38.3%)、2位が台湾(37.6%)、3位が韓国(36.8%)。以下シンガポール(34.0%)、香港(31.7%)、ニュージーランド(30.6%)、日本(23.4%)、マレーシア(14.0%)、タイ(2.3%)、中国(1.5%)と続いている。中国・インドは約10億人の人口を持つため、インターネット人口が伸びても普及率の上昇にはなかなかつながらず、インドに至っては普及率はわずか0.3%だ。

 この普及率を見ていくと、ヨーロッパが断然高い結果を出している。2000年10月時点のEU加盟国のインターネット普及率調査では、オランダが最も高く54.8%、以下スウェーデン(53.8%)、デンマーク(51.8%)と、上位3国はいずれも5割を突破した。以下、フィンランド(43.5%)、イギリス(40.9%)、オーストリア(38.0%)、ルクセンブルグ(36.3%)、アイルランド(35.5%)、ベルギー(29.2%)、ドイツ(27.1%)と続いている。特にオランダの成長はすさまじく、1999年末には約18%の普及率だったものが、1年を経たずに5割を超えた結果となった。またEU非加盟国では、アイスランドが52.1%、ノルウェーが52.6%というデータもある。
 アジア太平洋地域の普及率1位のオーストラリアが38.3%、またアメリカでも5割には到達していない状況を考えると、ヨーロッパ、特に北欧の普及率には目を奪われる。白書ではこの要因を「北欧では90年代前半より、政府が積極的に情報通信振興政策を進めてきた」(鈴木俊介氏)点にあるとしている。ひるがえって、「我が国が5年以内に世界最先端のIT国家になる」という「e-Japan戦略」を掲げる日本政府の方針は、日本を北欧並みのインターネット普及国にできるかどうかは、注目に値するだろう。

◆「インターネット白書2001」インターネット協会監修 6月29日発売 本体価格4,800円(税別) 株式会社インプレス発行

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(2001/7/6)

[Reported by aoki-m@impress.co.jp]


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