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■URL
http://www.ipa.go.jp/security/txt/2001_08outline.html
情報処理振興事業協会(IPA)は、2001年7月のコンピューターウィルスの届出状況を発表した。7月の届け出件数は1,738件(6月1,335件)で前年同月の700件の2.5倍と高水準。
7月の特徴は、6月に急増した「W32/Magistr」ウィルス及び7月中旬に出現した「W32/Sircam」ウィルスなど、届出上位であるデータ破壊型ウィルスの実害率が高いことだ。7月の届出全体の実害率は19.8%と、6月の11.5%より8.3%増となっている。特にSircamは、7/21~31の10日間で報告数520件となっており、当月届出としては2000年11月に報告された「Navidad」の437件以来過去最多となる。また、実害率も23%と高水準となっている。これは、パソコン上の「マイドキュメント」フォルダにあるWordやExcelファイルがウィルスに感染して添付されることから、Sircamに添付されているファイル名が「6月期決算状況.xls.」などもっともらしいファイル名となっていることが大きな要因だ。
また、届け出者別件数では一般法人ユーザーからの届け出が74%、感染経路としてはメールからの感染が64%、と報告されている。これはSircamの感染が「Outlook、Outlook Expressのアドレス帳の登録アドレスすべて」や「閲覧したWebページに掲載されているアドレス」を対象にメールを送信することが一因と考えられる。
○この1週間の主なウィルスベンダーの動向
●トレンドマイクロ、「Sircam」自動駆除ツールを無料提供開始
●ソフォス、ワーム型ウイルス「W32/Sircam-A」への注意を呼びかけ
●IPA、8月5日に発病し「.dllファイル、.exeファイル」を削除するウイルス「VBS/Haptime」を警告
●トリップワイヤ・ジャパン、「Code Red」ワームを警告
●トレンドマイクロ、マンスリーウィルスランキングを発表。1位は「MTX」。注目のウィルスとして「TROJ_SIRCAM.A」を紹介
このように非常に多く感染が広がっているウィルスを予防する為には、アンチウィルスソフトの導入や添付ファイルを実行する際は慎重に行なうことが必要だ。上記のような報告から、ウィルスに対する自衛行為は必須となりつつある。
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(2001/8/3)
[Reported by otsu-j@impress.co.jp / ymasa@factory.to]