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ソニー株式会社とソニーブロードバンドソリューション株式会社は、米Digital Fountain社が開発した「Meta-Content」技術を採用したストリーミングサーバー「MAGNACAST」シリーズを10月1日発売する。最大同時アクセスユーザー数3,000人までの「MG-C3010」が2,000万円。
MG-C3010 |
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従来のストリーミング配信には、クライアントと1対1で配信するユニキャスト方式と、同時に多数に配信するマルチキャスト方式が使われていた。ユニキャストでは、オンデマンド配信に向いているものの、コンテンツが高品質になったり、ユーザーのリクエストが増えるとサーバーの負担が高くなる欠点があった。一方、マルチキャストでは、オンデマンドで配信ができないほか、パケットロスなどによる品質保証ができなかった。
「MAGNACAST」では、「LT Coding」と呼ばれる特殊なコーディングを使って、1つのパケットが全体の要素を持つ形で配信される。また、各パケットは優先順位のない固有のパケットとして連続配信されるので、パケットの到着順が前後したり、ロスしても、オリジナルとほぼ同じ容量(およそ105%)のパケットが到着した時点でコンテンツの再生が可能だ。対応メディアフォーマットは、Windows Media、RealVideo、QuickTimeなど。再生には各メディアプレーヤーを利用する。
マルチキャストでオンデマンド配信する場合、まずオリジナルコンテンツをいくつかのパーツに分割し、それぞれを別のストリームとして配信する。ビデオのはじめの方を担当するパケット(仮にストリームA)を受け取ったら、その部分を再生しながら次のパートのストリーム(ストリームB)を受信するので、映像が途切れることなく再生できる。ストリームAは、ずっと同じパケットを流しているので、ユーザーは好きなタイミングでパケットを拾えば、オンデマンドで動画を再生できるのだ。
「MAGNACAST」で配信されたコンテンツを再生するためには、ユーザーが事前に「MAGNACAST Plug-In」をインストールしておく必要がある。このソフトは、無料で配布される予定で、対応OSはWindows98/SE/Me/2000。
MG-C1010 |
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また、ダウンロード専用サーバー「MG-C1010」も同時に発売する。利用帯域の増減に追従して、ダウンロード容量を可変させるFLID混雑制御技術を利用しているほか、レジューム機能、自動Fail-over機能を採用した。これは、マルチキャストで接続不可だった場合ユニキャストに、ユニキャストで接続不可だった場合FTPに自動的に接続しなおす機能だ。なお、ダウンロードサーバーを利用する場合も、「MAGNACAST Plug-In」をインストールしておく必要がある。
なお、「Meta-Content」技術については、4月に野村総研が課金や配信制御、およびクライアントソフトをセットにした配信システム「Aqualink」を発表している。
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(2001/9/4)
[Reported by okada-d@impress.co.jp]