【イベントレポート】

Javaの生みの親、James Gosling基調講演
「Javaにウイルスは存在しない」と信頼性の高さを強調

■URL
http://jdc.sun.co.jp/javaone/home/index.html

 Java開発者向けイベント「JavaOne」において28日、“Javaの生みの親”として知られるJames Gosling氏の基調講演が行なわれた。


James Gosling氏~「Javaはプログラミング言語ではなく『設計思想』だ」

 James Gosling氏は、「Sun MicrosystemsはJavaの誕生以前、『コンピューターよりも進化を遂げる製品』として家電に向けたアプローチとして何かできないのか模索していたという。そんな中、ソニーなどの日本のメーカーに相談に行くにつれて「Sun Microsystemsはコンピューター以外の世界を知らない」ことに気がついたという。

 最初の家電へ向けたアプローチとしてSun MicrosystemsはC++を用いた開発を試みた。しかし、家電にはいろいろなCPUが搭載されているため、すべてに対応するのは非常に困難だと分かり「将来的に家電が進化していく過程において、市場の分断化に繋がるのではないか」と危惧。ほかに、ディバックが困難であることやメモリー管理が煩雑などの問題があり「根本的に現状の開発環境に問題がある。そのため『Java』の開発に着手することになった」と当時を振り返った。

 また、Javaはセキュリティなどの信頼性に関しては設計段階から重視していると語った。ほかの開発環境で作られたアプリケーションにセキュリティホールが見つかることに対して「10年くらい前に設計されているため、パフォーマンスを重視するあまりに信頼性に関しては優先順位が低くなっている」と問題点を指摘。それらの問題点を洗い出した上で設計されたJavaについては「ウイルスなど存在しない」とセキュリティーの高さを改めて強調した。

 Java開発者へのメッセージとして「業界はXML Webで盛り上がっているが、ほかの技術にもしっかり目を向けてほしい。」と伝えた。


基調講演の冒頭James Gosling氏が着ているTシャツを会場にばらまくというパフォーマンスを披露。会場は一気に盛り上がった

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(2001/11/29)

[Reported by adachi@impress.co.jp]


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