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富士通株式会社は10日、セミナー「ビジネスを変革させるブロードバンド・ネットワーク」を開催し、その中で同社のブロードバンドにおける戦略を発表した。
「富士通のブロードバンドネットワーク戦略」と題した講演では、富士通の取締役ネットワーク事業本部長である武市博明氏が演題に立った。武市氏は富士通のブロードバンドネットワーク戦略のキーワードとして「IPv6」「Intelligent」「Photonic」の3つを挙げた。
「IPv6」については、「日本が世界をリードできる技術」として同社も推進していくことを強調。同社はルーターやサーバーなどのエンタープライズ製品や@niftyやFENiCSの回線などでもIPv6への対応を進めるという。また、接続サービスは2002年の早い時期に商用サービスへ移行すると発表した。
「Intelligent」としては、HTTPやVoIPなどサービスごとや利用者によってパケットの優先順位を管理するサーバー「ポリシーサーバー」を用意する。そこから、各ルーターへ指示を出し帯域の制御を行ない「QoS」を実現するという。また、サーバー負荷分散のための「クラスタリング技術」や、アプリケーションに応じて経路制御を行なう「レイヤー4スイッチ」と呼ばれる技術も開発を進めているという。
「Photonic(光通信)」については、「ムーアの法則ではコンピューターの処理速度は3年で4倍向上するが、インターネットにおける通信速度の向上はそれ以上」とし「電気信号のみのスイッチングでは間に合わない」と必要性を強調した。その上で「光ルーター」の開発を進めていると述べた。光ルーターでは通過させるパケットは電気信号へ変換せず光のまま通し、それ以外のパケットのみ電気信号に変換して適切な経路へ振り分けるという。
なお、@niftyは10日、イー・アクセスとともにADSL回線によるネイティブIPv6接続実験を開始すると発表している。
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(2001/12/10)
[Reported by adachi@impress.co.jp]