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2001年各月別の注目ニュースについては別記事を参照していただくとして、ここでは本誌に掲載した通常ニュース記事以外の記事(特集・レポート記事など)で多くの注目を集めたものを基に今年のインターネットを振り返ってみたい。
今年本誌レポートで最もアクセスを集めたのは、7月に掲載した「Yahoo!BB、本誌記者宅に導入してみました~その1」で、掲載月はもとより現在でも多くアクセスされている。衝撃的な6月の「Yahoo!BB」の発表からまもないこと、そして本格サービスが開始される直前の試験提供期間中ということもあり、この時期の掲載が効果的であったようだ。しかしその後のYahoo!BBの進捗状況が明らかになるにつれて、この第1回レポート時期での比較的スムーズなサービス導入が“幸運な例”であったのかもしれないということを思い知らされることになる。サポート体制の不備なども含め、いつまでも開通しないユーザーの怒りを綿々とホームページに綴った「odyouさん」へのインタビュー記事「サイト『Yahoo!BB開通までの道のり』運営者odyouさんに聞きました」も12月掲載にも関わらず年間アクセスランキングの上位にくい込んでいる。しかし、このYahoo!BB登場が間違いなく効果的だったといえるのが、他ISPへ波及した「ADSLサービス値下げ合戦」だ。格安サービスが登場した以上、追従せざるを得ないというのが各ISPの本音かもしれないが、一般ユーザーにとっては歓迎できることであり、国内ADSLユーザー増加を加速させた。
ほかに今年の大きな話題としては「ウィルス」「DoS攻撃」「Web改ざん」などがあげられる。8月に掲載した特集「ブロードバンド時代のセキュリティ入門」も多くのアクセスを集めた。これらは常時接続ユーザーの増加と決して無関係ではなく、今後もより一層の注意が必要だ。
最後にアクセス的にはそう多くはなかったが注目のニュースとして10月に紹介した「Internet Archive」を挙げておきたい。これは、過去5年間に公開された100億ページものWebページを保管したというWebアーカイブだが、例えば1996年の弊社サイトのデザインなども保管されている。実際にそれを見て「懐かしい」と感じたが、同時にインターネット上に存在していたものに対し「懐かしい」という感情を持つようになったことが感慨深かった。またTim Berners-Lee氏の発表メッセージを見ることができる「Google Groups」の登場(12月)なども含め、インターネットの成長を目で見られるようになった。
このように、すでに“歴史”を積み重ね始めているインターネットと、“生まれた時からブロードバンド・常時接続環境がある”ユーザーが登場する未来がどのようになるか、まずは2002年からが楽しみだ。
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(2001/12/26)
[Reported by okiyama@impress.co.jp]