【事業計画】

NTTグループ、2004年度までの経営3ヵ年計画を発表
~原則固定電話網への投資を停止・ISPの統合など

■URL
http://www.ntt.co.jp/news/news02/0204/020419.html

NTTの報告ページ

NTTが発表した参考指標

 日本電信電話株式会社(以下、NTT)は、2002年度から2004年度までの経営3ヵ年計画を発表した。計画では「具体的な取り組み」や「経営(財務)目標」などが公表された。

 NTTは発表の中で、「電話からインターネットへ」、「固定から移動へ」、「国内から国際へ」との方向性を示し、携帯電話やIP電話の登場で固定電話収益が落ち込むことを予測して、IP電話への移行や光アクセスサービスの拡充を進めることを述べている。

 具体的な取り組みとしては、「原則として、従来の固定電話網への設備投資を停止」や「ISP事業の統合」、「光アクセスの積極展開」、「ポケットベルなどの不採算事業の整理・統合」などが発表された。

・IP通信への移行
 固定電話網投資の停止では、音声からデータ通信への需要が移っていることに加え、ADSLなど定額制料金の普及によって、固定電話網の通話自体がIP通信へと移行することが必須と判断している。これによって、従来の固定電話網への設備投資をVoIP電話の通話品質向上技術や仮想プライベートネットワークIP-VPNへの投資へと変更する。実際の投資額としては、2001年度見込み2.6兆円から4,000億円の削減を行ない、2004年度では2.2兆円まで圧縮する。

・ISP事業の統合
 ISP事業では、ISP事業そのものが成熟化してきており、サービス内容に余り差異が見られず、「値下げ競争による消耗戦の様相を示している」と判断している。また、利用者間でファイルやメッセージの交換ができる「P2P通信」が今後拡大すると予測し、これに対応するためには事業規模の拡大が必要であるとしている。

 現在NTTグループでは、NTT東日本が運営する「ぷらら」、NTTコムの「OCN」、NTT-MEの「WAKWAK」、NTTPCの「インフォスフィア」、NTTデータとNTTドコモの共同出資による「ドリームネット」、NTTドコモとAOLによる「ドコモAOL」など運営しており、具体的な時期等は発表していないものの、段階的に統合していくという。

・光サービスの拡充
 電力会社各社などの参入により、いよいよ本格競争突入の感がある光アクセスサービス分野では、これら競合他社との競争に対応するためにBフレッツの新メニューの提供や料金設定を行なう。これに伴い、ブロードバンド対応コンテンツの不足が予測されるため、NTTグループのブロードバンド向けコンテンツ配信サービス「BROBA」などを積極的に展開していく。また、ユビキタスサービスの提供のため、無線LANを活用した有線と無線の融合による新規事業の開拓を進めるという。

・不採算事業の見直し
 また、財務再建の一環として、急激に収益が悪化している公衆電話事業やPHS・ポケットベル事業などの見直しを発表した。公衆電話事業では、低利用公衆電話の削減やIC公衆電話の見直しなどを実施する。ポケットベルは、利用者が急減していることから、コスト効率の向上など大幅な事業見直しを行なう。また、PHSは音声通信手段の役割が低下していることから、データ通信に特化したサービスとしての存続の可能性を検討していくとしている。

 NTTでは、これらの設備投資抑制や約10万人の人員流動を行なうことによって、経営を高効率化し、2001年度見込みの8,670億円から2004年度には連結ベースで営業利益1兆5,000億円を達成させる。

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(2002/4/19)

[Reported by otsu-j@impress.co.jp]

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