【決算】

ISP連合への参加予定なし~SCN山本社長

SCN、2001年度決算を発表~So-net会員増だが損失は拡大

■URL
http://www.sony.co.jp/SonyInfo/IR/financial/fr/2002-4-25j/index.html

 

山本泉二SCN社長

 ソニーコミュニケーションネットワーク株式会社(SCN)は25日、2001年度の業績発表を行なった。関連会社を含む「SCNグループ」の2001年度の通期連結売上高は、前年度比4.4%減の331億5,100万円、損益面では、営業損失が17億700万円、経常損失が25億5,900万円で、当期純損失は21億100万円となった。なお、前年2000年度の売上は346億8,800万であったが、そのうち、SCNがソニー株式会社から販売を受託していた「AIBO」の売上が72億1,400万円であった。

 事業収入のうち「接続サービス」は、前年度比19.3%増の273億600万円で、売上高全体の82.4%を占めている。同社では、2001年10月に「JustNet」を運営する株式会社ウェブオンラインネットワークス(WON)を完全子会社化しており、旧JustNet会員も含めた「So-net」の現在の会員数は224万人となっている。また、そのうちNTTのフレッツ利用者なども含めたブロードバンドユーザーは25万人に上るとのこと。こういった会員増加が直接的に売上げをもたらす一方で、営業利益減の要因として「価格競争による接続料金の値下げ」「So-net ADSL会員等へのサポート強化」「BBコンテンツ開発社内体制強化に関わる人員増加等」が挙げられている。

 SCNでは、来期2002年度の予想として、売上高20.7%増の400億円、純利益1億円を見込んでいる。売上構成比としては「接続サービス」を80%に押さえ、コンテンツサービスなどの「インターネット関連サービス」、ショッピングサイトなどによる「商品売上」の割合を高める狙いだ。

 説明に立った山本泉二SCN社長は、2002年度の事業戦略として「ブロードバンドネットワークアクセス」「常時接続・ブロードバンド接続向けのコンテンツ・アプリケーション・ECサービス」「ハードウェアとの連携」の3点を挙げた。このうちアプリケーションについては、「『PostPet Version 3』(2002年秋発売予定)は常時接続を意識したものになる」と説明、またハードウェアとの連携については、無線LANインターネット液晶TV「エアボード」などネットワーク対応製品へのサポートを挙げた。

 なお決算発表後に行なわれた質疑応答では、2001年末に報道された「ソニーによるニフティ買収」に関する質問に対し、山本社長は「ソニーとして検討しているというのは聞いているが、こちら(SCN)としてはコメントはない」と応えた。また、BIGLOBE、DIONら4社によるISP連合「メガコンソーシアム」に関しては、コンテンツサービスの共同展開には意義があるかもしれないとしつつも「コンソーシアム自体がどこにいくのかわからない。参加するという状況ではない」と語った。

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(2002/4/25)

[Reported by okiyama@impress.co.jp]

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