【業界動向】

ソニー、ブロードバンド時代の価値創出へ向けネットワーク化を推進

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http://www.sony.co.jp/SonyInfo/News/Press/200205/02-020/

 ソニー株式会社は14日、2002年度の経営方針を発表した。今後ソニーでは、エレクトロニクス、ゲーム、コンテンツの3事業をコアセクターと位置付け、各セクターの競争力を強化し、新たな価値を創出する。また、コアセクター間をつなぎ、ネットワークサービス化を推進する新事業部「NACS(Network application and Content Service Sector)」を4月1日付けで発足させた。

 ソニーは、エレクトロニクス分野において、ネットワークAV/IT製品でNo.1を目指す。安藤国威代表取締役社長兼COOは、「TV、VAIO、PlayStation2、モバイル機器の4つをゲートウェイに、これらにつながるプラットフォームとしてのハードウェア群の投入を目指す」と語った。実際に、1998年のエレクトロニクス分野におけるネットワーク製品の割合は49%だったが、2001年度には76%まで増加している。ソニーでは、まず2002年秋までにVAIOをネットワークサーバーとして中心にしたプラットフォームを構築する。次に2003年春までに、「WEGA」を中心としたネットワーク対応ホームAV製品を市場に投入する。2003年秋には、NetMD製品やCLIEといったモバイル製品をIPv6対応とし、P2Pでのネットワーク構築を目指すという。

 新たに新設されたNACSは、ハードウェア製品や、So-net、映画や音楽といった娯楽コンテンツ、非接触ICカード技術の「FeliCa」とその技術を使った決済サービス「Edy」「eLIO」を連携する新しいビジネスモデルを創出する。すでに発表されているソニー製品共通ID制度の「My Sony ID」などもこの一環だ。NACSを統括する野副正行執行役員常務は、「例えば、So-netでハリウッドコンテンツの配信をすることもありえる。エンターテイメント以外のホームセキュリティや教育などでもソニー独自のアプリケーションの開発を目指す」と語った。

 ソニーの出井伸之会長兼CEOは、「コアとなる3事業を組み合わせて、ブロードバンド環境での新たな価値を創出しなくてはならない」とビジョンを語った。まず、ADSLがブロードバンドインフラとして普及している点に触れ、「2010年には、ブロードバンドによる常時接続は普通の環境になっているだろう」と予測し、「コンテンツは王様だ。今後は、パッケージメディアの効率を上げていく必要がある。そのためには、セキュアなコンテンツ配信の仕組みが必要だ」と述べた。特に、「米国の企業の多くが、米国内での配信事業を主に立ち上げているが、日米双方に拠点を置くソニーでは、国際的なコンテンツ配信網の構築が必要だと考えている」という。

 また、米AOL Time Warnerや、米RealNetworks、Ericssonなどとの緩やかな提携(ソフト・アプライアンス)を推進していることについて、出井会長は「決して反Microsoftのつもりはない。家庭用ゲーム機では競合していても、PC分野では友好な関係だ。ソニーは、決してソニーだけの閉鎖的な世界を作ろうとしているのではない」とコメントした。

出井伸之会長兼CEO 安藤国威社長兼COO 野副正行執行役員常務

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(2002/5/14)

[Reported by okada-d@impress.co.jp]

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