【実証実験】

インターネットITSの共通アーキテクチャー策定へ
慶應義塾大学らの共同研究グループが仕様案

■URL
http://www.InternetITS.org/

5月31日に東京都内で開かれた説明会では、経済産業省ITS推進室長の堀口光氏があいさつ。同省では今後もインターネットITSの産業化のため規制緩和面などからも後押ししていくという

 慶應義塾大学SFC研究所、トヨタ自動車、デンソー、NECからなる「インターネットITS共同研究グループ」は、経済産業省の支援のもとで2001年4月より実施してきたプロジェクトの成果をとりまとめた。

 インターネットを用いてITS(Intelligent Transport Systems:高度道路交通システム)を構築するために基礎となるアーキテクチャーを開発し、共通基盤の仕様書案を策定した。車両情報の形式や車載機器の接続方法、アプリケーションの実行環境などについてとりまとめられている。

 ITS共同研究グループでは今後、夏頃をめどに参加する企業・団体を広く募り、仕様書案の公開に向けた検討に入る予定だ。今後課題となるテーマとしては、セキュリティやプライバシー面での対応、車両内を一つのLANと見立てた「Mobile Network」のプロトコル開発などが上げられるという。

 なお、今回のプロジェクトでは技術面の取り組みのほか、インターネットITSが「産業化して芽が出るか?」(慶應義塾大学SFC研究所の村井純所長)という点も大きなポイントとなっており、想定されるいくつかのアプリケーションについて実証実験が行なわれた。

 名古屋地区のタクシー1,570台を用いた実験では、ワイパーの稼働状況をもとに降雨情報を収集するアプリケーションが構築されたが、気象サービス業界からも高い関心が得られた。また、配車管理機能についても、協力したタクシー会社から継続したいという好評価を受けているという。まずは企業向けアプリケーションでインターネットITSの実用化が見込まれている。

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(2002/5/31)

[Reported by nagasawa@impress.co.jp]

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