【音楽配信】

米著作権庁、インターネットラジオの著作権使用料率を決定

■URL
http://www.copyright.gov/carp/webcasting_rates.html
http://www.riaa.com/PR_story.cfm?id=531
http://www.saveinternetradio.org/

発表を掲載した著作権庁のページ
 米著作権庁は20日、インターネットラジオの著作権使用料率について、同庁の著作権仲裁使用料委員会(CARP)が提案していた案を却下し、CARP案に比べて半分の使用料率を適用すると発表した。

 CARP案では、インターネットラジオ局が1ユーザーに1曲配信するたびに、インターネット専用の配信では0.14セントの使用料を、AM/FMラジオ放送を再送する場合には0.07セントを徴収する2本立てとなっていた。これに対して米著作権庁は両者を1本化し、いずれの場合も使用料を0.07セントに設定。インターネット専用の配信では、CARP案に比べて使用料率は半分となるが、これでも多くの独立ラジオ局にとっては高額のままだ。

 また非営利目的のインターネット放送でも、1日当たりの使用料率をCARP案の9%から8.8%に引き下げる。ただし、企業がサービスを開始する場合に支払う最小料金を、CARP案の500ドルから1万ドルへと大幅に引き上げている。

 米著作権庁の決定について、米レコード協会(RIAA)は「この決定の意味は、Yahoo!やAOL、RealNetworksといった数十億ドル規模企業のWeb放送事業の一部を、アーティストやレコード会社が負担するということだ。この料率はCARPの決定とは一致しておらず、法律で守られている音楽の公正な市場価値を反映していない」と非難している。


 今回の料率設定では、著作権庁は2000年9月にYahoo!とRIAAの間で交わされた音楽配信に関する契約を「インターネットによる音楽配信の最良の証拠である」と認め、この事例を参考に設定したという経緯がある。その一方で、同庁はインターネット音楽配信ではCDなど音楽商品の宣伝効果があるとは認められないとしており、これはRIAAの従来の主張と一致している。またインターネットラジオ局側が求めていた“局の収入に対して料率を設定する”オプションについては、「多くのインターネットラジオ局の収入が非常に低く、また局側がビジネスモデルを変えることで割合が一定して適用される収入の判別が困難になる」ため、望ましくないとして退けられている。

 多くのインターネットラジオ局は、今回の決定に対し失望を表明し、反対する動きを示している。というのも、1日数千のユーザーに聴かれている局の場合、今回の料率でも1ヶ月1万ドル以上を支払う必要が出てくるからだ。また「今回の決定が何百もの小企業の排除につながり、インターネットラジオ業界とレコード産業の双方の発展を妨げるものである」として、一部議員の間でインターネットラジオ局に対してより公平な支払いを保証する法的措置を取るという動きも出始め、この問題の解決にはまだ相当の時間がかかるだろう。

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(2002/6/21)

[Reported by 江藤浩幸 / aoki-m@impress.co.jp]

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