【NetWorld+Interop 2002 TOKYOレポート】

ホットスポットブームの中でも
いまいち勢いが感じられない「Mフレッツ」

■URL
http://www.ntt-east.co.jp/flets/mflets/index.html

中央奥の壁に設置されているのがシスコのアクセスポイント。その下にあるのがエンテラシス(左)とメルコ(右)の製品

 NTT東日本では、6月から試験提供しているフレッツ加入者向けの無線LANアクセスサービス「Mフレッツ」を紹介している。展示ブース内に無線アクセスポイントを設置し、擬似的なMフレッツ環境を構築。Mフレッツの特徴ともなっているユーザー認証用のUSBキーと、無線接続/認証のための「Mフレッツ接続ツール」というソフトを使って実際に接続する操作を見ることができる。

 Mフレッツでは、ホットスポットでエンドユーザーとしてこれを利用する「Mフレッツメイト」のほか、Mフレッツメイトのアクセスポイントを設置するスポットのオーナー「Mフレッツホスト」も広く募集するのが特徴だ。展示では、無線LANのセキュリティ機能であるIEEE0802.1xにも対応し、Mフレッツホストの基地局として利用可能な無線LANアクセスポイントも展示されていた。

 今のところ、シスコシステムズ、エンテラシス・ネットワークス、メルコのIEEE 802.11b準拠製品が接続できることを確認済みだという。会場には、これら3社のアクセスポイントのほか、5GHz帯を使うIEEE 802.11aにも対応したインテルの製品も展示されていたが、このうちシスコのアクセスポイントを利用してデモ環境が構築されている。

 ホットスポットブームが加速する中、MフレッツはNTT東日本のフレッツシリーズの中でも新しいサービスだけに、大きくサービスをアピールしても不思議ではないところだが、意外にも展示スペースは大きくない。

 確かに、Mフレッツは東京や札幌の一部の地域で試験サービスがスタートしたばかりで、年内は試験期間だということもあるだろう。しかし問題は、実際にどのくらいの対応スポットが生まれるのか、NTT東日本自身も見えていないことにあるのではないだろうか。

 前述のようにMフレッツでは、スポットとなる場所も一般からの募集でまかなう。ごく一部で同社自ら営業所窓口などにスポットを開設するとしているが、これはあくまでもデモンストレーションの意味あいだ。Mフレッツメイトにとっていちばん気になるスポットの充実度は、Mフレッツホストに対する引き合いしだいとなるのだ。

 一方、Mフレッツホストとしてスポットを開設するには、無線LAN機器やアクセス回線の調達などで20万円近くの初期費用がかかってしまうという。これだけコストをかけてMフレッツホストに契約したとしても、来客者の増加などの効果がどのくらい見込めるのかが見えないほか、ホストが自ら基地局や回線の保守・管理を行わなければならないため、ハードルは高い。

 展示担当者によると、NTT東日本では今のところ、スポットの自社開設については未定だという。スポット拡大のため、Mフレッツホストの契約獲得に向けて営業を通じて開拓に取り組むとはしながらも、Mフレッツホスト契約者に対する機器設置やメンテナンスまで含めたサービス提供は難しいとしている。

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(2002/7/4)

[Reported by nagasawa@impress.co.jp]

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