■URL
http://www.soba-project.org/
京都大学を中心とする5大学の研究グループとオムロン株式会社などで構成される産学協同プロジェクト「SOBA(Session Oriented Broadband Applications)」は9日、開発者向けカンファレンス「SOBA Conference at QUESTHALL」を開催した。「SOBAプロジェクト」は、インターネット上に“共有空間”を作り出す「SOBAフレームワーク」を共同で研究・開発し、ブロードバンド環境の活用に役立てることを目指すプロジェクトだ。
カンファレンスの会場では、SOBAフレームワークのデモが行なわれた。これまで構想レベルで発表されてきたSOBAフレームワークだが、実際に動くデモとして公開されたのは初めてとなる。SOBAでは、それぞれのユーザーが「Session」と呼ばれる共有空間で、テレビ会議やホワイトボードの共有などによるコミュニケーションをすることができる。Sessionは、SOBAフレーム上の1つのウィンドウとして表示され、複数のSessionを作成したり、ユーザーの追加などが可能となっている。
SOBAフレームワークでは、これらのコミュニケーションツールを利用したアプリケーションの開発が可能だ。カンファレンスでは、例えば、教育の場において、学習塾側が作成したSessionを生徒がディレクトリーサービスで検索をして、さまざまな語学の授業を受けることができるといったSOBAフレームワークの利用例を挙げられた。SOBAアプリケーションは、Javaを用いているため、J2EEやJBuilderなどの開発環境が利用できる。また、SOBAフレームワーク自体もJavaで動作するため、WindowsやMac OS、Unix系のOS上でも動作するとのこと。
なお、カンファレンスで行なわれた講演では、SOBAプロジェクトの中心的人物の1人であるNTTコムウェア株式会社取締役の長野宏宣氏が、「大学を中核としたオープンソースプロジェクトだが、複数の企業も参加している。従来のオープンソースやビジネス開発とは性格が違うが、たくさんの企業に参加して頂きたい」と呼びかけた。
SOBAフレームワークのデモ。 2つの大きなウィンドウは「Session」。それぞれのSessionで、 ビデオ会議、ホワイトボード、チャットなどを利用したコミュニケーションができる。 |
NTTコムウェア株式会社取締役の長野宏宣氏 |
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(2002/7/9)
[Reported by adachi@impress.co.jp]