【セキュリティー】

シマンテック、ウィルス対策ソフト「Norton 2003 シリーズ」7製品を発表
~侵入検知やプログラム改ざん防止機能などを新たに追加

■URL
http://www.symantec.co.jp/region/jp/news/year02/020919.html

「Norton Internet Security 2003」

 株式会社シマンテックは19日、個人向けウィルス対策ソフトの新製品「Norton 2003 シリーズ」7製品を10月17日より発売すると発表した。対応OSは、Windows 98/98SE/Me/2000(SP1以上)/XPとなっており、価格はアップグレード版で4,100円から、標準パッケージで6,800円からとなっている。

 今回発売される製品は、「Norton Internet Security 2003(以下、NIS)」、「Norton SystemWorks 2003」、「Norton AntiVirus 2003」、「Norton Personal Firewall 2003」、「Norton Ghost 2003」となっている。また、SystemWorksとAntiVirusには、それぞれ追加機能が加えられた「Professional Edition」が存在する。

 NISは、「Norton AntiVirus 2003」や「Norton Personal Firewall 2003」の機能に加え、スパムメールを防止する「スパム警告」機能などを統合した「Norton 2003 シリーズ」の中核となるセキュリティー対策製品だ。NISに新たに加えられた機能は、「侵入検知(IDS)」、「プログラム改ざん防止」、「ワーム遮断」、「インスタントメッセージ・スキャン」などが挙げられる。侵入検知機能は、前バージョンの2002シリーズにおいて「Professional Edition」にしか搭載されなかった機能だが、「Nimda」や「CodeRed」などの複合型ウィルスに対抗するために通常版にも搭載された。侵入検知は、侵入をパターン化したシグニチャーによって検知する。シグニチャーはウィルス定義ファイルと同様に、随時アップデートされる。「プログラム改ざん防止」は、NISのプログラムを暗号化することによりウィルス対策ソフトなどを改ざん・削除しようとするウィルスから守るための機能だ。「ワーム遮断」は、従来製品ではスクリプト遮断機能として提供されてきたが、「Badtrans」などのウィルスの出現により、スクリプト遮断機能だけでは不十分になったため、新たな技術を採用したものだという。「インスタントメッセージ・スキャン」は、「Yahoo! Messenger」や「Windows Messenger」など4種類のインスタントメッセンジャーに対応しており、IMの添付ファイル経由で感染を試みるウィルスに対応したものだ。また、新機能として、万が一侵入された場合、NIS内のログに残されたIPアドレスをクリックすることにより攻撃者の居場所を世界地図上にグラフィカルに表示する「ビジュアルトラッキング」というユニークな機能も追加された。

 ほかに、従来より強化された機能としては、「自動LiveUpdate」や「バックグラウンド・ウイルス駆除」などがある。「自動LiveUpdate」では、今までウィルス定義ファイルのアップデートにのみ対応していたが、今回より導入された侵入検知のシグニチャーやウィルススキャンエンジンプログラムのアップデートにも対応した。「バックグラウンド・ウイルス駆除」は、セキュリティーホールを利用する「Nimda」やトロイの木馬などを自動駆除する機能となっており、安全性が増している。

 その他のソフトでは、バックアップソフト「Norton Ghost 2003」が大幅に改善されている。従来のバージョンでは非常に複雑だったユーザビリティーを向上し、ワンボタンでのバックアップや復元を可能にしたという。

 米SymantecのStephen G. Cullen上級副社長は「当社では、セキュリティー、サービス、レスポンスを重要視している。昨今複合型のウィルスが増加しており、ハッキングもツールを用いれば誰でも簡単にできるのが現状だ。特に日本では、常時接続やモバイル、ゲーム機器などの分野でのインターネット接続が盛んだ。これらの環境下で安全を期すためにも、総合的にセキュリティー対策を行なわなければならない。また、当社の世界的な売り上げのうち、日本の売り上げは米国に次いで2位となっている。このようなことを踏まえて、当社では日本戦略を重視しており、今回も米国での発表後わずか3日間で日本語版の対応ができた。このようなローカライズレスポンスの早さは、時間との勝負でもあるウィルス対策では、とても重要なことだ」と語った。また、「Norton 2003 シリーズ」の販売についてシマンテックの成田 明彦社長は、「昨年の『Norton 2002 シリーズ』では、売り上げで前年度比30%増を達成することができた。今年度も、新たなキャンペーンを実施して、200万本を売りたい」と抱負を語った。

NISの新しいLiveUpdate画面 追加された「インスタントメッセージ・スキャン」機能の画面 一新された「Norton Ghost 2003」の管理画面
コンピューター犯罪の現状 米Symantec上級副社長
Stephen G. Cullen氏
シマンテック社長
成田 明彦氏

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(2002/9/19)

[Reported by otsu-j@impress.co.jp]

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