【イベントレポート】


Javaデベロッパーカンファレンス「JavaOne」レポート

■URL
http://www.javasoft.com/javaone/
http://www.javasoft.com/pr/1997/april/pr970402-04.html(開発ロードマップとJFC)
http://home.netscape.com/newsref/pr/newsrelease378.html(JFC:Netscapeの発表)
http://java.sun.com/pr/1997/april/pr970402-07.html(JavaPC)
http://java.sun.com/pr/1997/april/pr970402-02.html(Javaの機器組み込み)
http://java.sun.com/pr/1997/april/pr970402-11.html(100% Pure Java)

 4月2日から4日までの3日間、Java関連のデベロッパーカンファレンス「JavaOne」が米サンフランシスコのモスコーニコンベンションセンターで開催されている。今回は、JavaOneの冒頭に行なわれたキーノートスピーチについてお伝えする。

■4月2日キーノートスピーチ - James Gosling
 「すべての機器にJavaが搭載される」というコメディタッチのビデオから、今年の「JavaOne」は始まった。

 キーノートの一番手は、米Sun Microsystems社副社長James Gosling氏である。まず、Javaの新しいAPIとして以下の点への対応が発表された。これと同時に、ユーザーインターフェイスの機能強化も発表されている。

 NetscapeやIBMなどのJavaパートナーの紹介を経て、キーノートお決まりのデモタイムだ。まずは新クラスライブラリJFC(Java Foundation Classes)のデモが行なわれた。JFCは、開発者がクロスプラットフォーム上で、共通のユーザーインターフェイスの構築を可能にするものだ。続いてJavaPC(なんと99ドル以下!)、Embeded Java、Personal Java(機器組み込み用Javaで2メガバイトのメモリで動作する)が紹介され、Personal Javaの利用例としてJavaOSが動作するインターネットテレビ「WebTV」のデモが行なわれた。

 ここで再びビデオが上映される。Javaの互換性に頭をかかえた男性が教会へ懺悔に訪れるという内容だ。もちろん、『100% Pure Java』のプロモーションビデオである。昨年同じ会場で開催されたMicrosoft PDCのオープニングビデオ(これも教会に相談にいった男性の物語である)が元ネタとなっており、Microsoft社に対する痛烈な皮肉の意味が込められているのは言うまでもない。

■4月2日キーノートスピーチ - Alan Baratz
 Gosling氏に続いて、壇上にはJavaSoft社長のAlan Baratz氏が登場した。Baratz氏は「コンピュータにとって万能の燃料であり唯一安全な環境を提供するのがJavaである」ことを強調するとともに、Javaの市場が確実に広がっていることを数字をもって説明した。たとえば、FedExやハイネケン、クライスラーなどの大手メーカーがWWWでJavaを利用しており、Javaを利用したWWWはここ半年で2倍に増えているという。

 続いて、利用者および開発者にとってのJavaの優位性と、SunのJavaに対する姿勢を以下の3点で明確にした。

もはやJavaは一開発言語ではなく、トースターから基幹サーバーまであらゆる機器に組み込まれることを想定した新しい環境を提供するものであると定義したわけだ。

 Java BeansとBorland社のJBuilderのデモをはさんで、JavaがActive Xと比較していかに安全、かつセキュリティーが強固で標準であるかを強調した。最後に、'97年末までのロードマップが発表された。ロードマップによると、夏から冬にかけてほとんどのJava関連製品の出荷が開始されるとのことだ。これはWindowsの次期バージョンのスケジュールを睨んでのことと思われる。

('97/4/3)

[Reported by hiro@nextone.co.jp]


4月3日のレポート


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ウォッチ編集部INTERNET Watch担当internet-watch-info@impress.co.jp