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【講演会レポート】

インターネットFAX研究会の特別講演会出席のため来日

「暗号の輸出規制など意味がない」RSA社長語る

■URL
http://www.ifax.or.jp/society/dai2kaiannai.html
http://www.computerprivacy.org/ (ACP)
 7月30日、都内ホテルでインターネットFAX研究会による「第2回特別講演会」が開催された。今回のテーマは「インターネットのセキュリティ特集」。特別招待講演の講師として、米RSA Data Security社のJim Bidzos社長(写真)が招かれた。



jim インターネットFAX研究会は、インターネット技術とFAX技術の融合/普及を目的として'97年6月に発足した研究会。FAXメーカーやインターネット関連の技術者が参加している。インターネットFAXの標準化については、3月に世界標準規格IETF(Internet Engineering Task Force)において「Simple Mode」と呼ばれる方式の標準化が完了。その後、6月にITU(国際電気通信連合)で勧告が成立した。研究会では、インターネットFAX標準化の次のステップとしては「セキュリティ」の概念を取り入れることが重要だとして、今回の講演会のテーマを設定、講師には暗号技術で知られるRSA社のJim Bidzos氏を招いた。

 Jim Bidzos氏の講演は、米国政府による暗号輸出規制と米国内での新しいロビー活動についての話が中心。Jim Bidzos氏は'97年の来日時も「RSA社と米国政府との闘争」について語ったが(本誌'97年6月5日号参照)、今回も「それについては1日中話していられる」としている。RSA社による暗号解読コンテスト「第2回DES Challenge II」(DES-II-2)が、たった3日弱で解読されたことをあげ、すでに56bitの暗号が暗号としての役割を果たしていないことを強調。米国政府は規制を撤廃すべしとの姿勢を崩さなかった。

 また、米国内のロビー活動グループ「Americans for Computer Privacy (ACP)」を紹介し、ACPの活動が暗号輸出規制撤廃へのキーとなると語った。ACPには、Microsoft社、3com社、AOL社など90以上の企業、40の業界団体が参加しており、米国の暗号製品輸出規制に明確に反対し、全世界へ高レベル暗号製品を輸出できるよう政府に働きかけている。Jim Bidzos氏によると「ACPは、今までのロビー団体とは違う。大きな企業がバックにおり資金も潤沢だ。これにより(輸出規制撤廃の)動きがあると確信している」と語った。また、インターネットFAXについては「セキュア面が強化されることでさらに強力なソリューションになる。使いたいと思っている人は多いはずなので、今後爆発的に普及するだろう」と語った。しかしそれには、まず規制撤廃が必要としてまた米国政府の政策の遅れを指摘した。

('98/7/30)

[Reported by okiyama@impress.co.jp]

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ウォッチ編集部INTERNET Watch担当internet-watch-info@impress.co.jp