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【政策】

学校割引制度は本当に実現するのか?

 24日の野田聖子郵政相の通信業界団体への要請(本誌9月24日号参照)は、郵政省として1つの方向性を打ち出したという意味で非常に重要な動きだ。

 これに対し、要請を受けた各団体は「前向きに検討したい」と回答するに止まった。例えば、そのうちの1つ、テレコムサービス協会は「各事業者には積極的に呼びかけていくが、強制力はない」としている。

 一方、当事者である大手プロバイダーは「身障者割引を実施しており、それと同レベルであれば対応可能」とするところや、「具体的な話が来ていないので、実際にどうするかは分からない」「数が多くなれば対応できるが、システム的な受け皿を作るのは難しい」とするところなど、反応は様々。

 実際問題、競争が激化する通信業界において、自ら割引制度を導入しようというインセンティブは働きにくい。学校を優遇する一方で、一般利用者の料金を値上げするわけにもいかない。多くの事業者にとっては頭の痛い問題だ。

 また、読者からはこんな意見が寄せられた。「学校へのサービスは赤字で提供して、個人や企業にそのツケを回すことを指導あるいは容認しているように受け取れる。高額な通信料金は、学校だけでなく個人や企業の情報化にとっても大きな障害となっている。学校だけに安い料金で提供すれば済む話ではない。郵政大臣は事の本質をはき違えている」と手厳しい。

 子供たちにインターネットを存分に利用できる環境を用意してあげたいが、それを実現するには政府として何らか形で金銭的なサポートを行なうことが必要だというのも確か。「10月初旬までに具体策を検討せよ」という郵政省だが、問題は山積みだ。

('98/9/25)

[Reported by yuno@impress.co.jp]


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