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「CDA」対「言論の自由」、最終ラウンドの判定は? (97/03/24)

2月14日のコラム「言論の自由とポルノ規制」で紹介した「CDA」対「言論の自由」。長期に渡って裁判が繰り返されていたが、その最終戦となる最高裁での両者口頭弁論が3月19日に終了した。この日、人権保護団体の一つであるCIECが配布した「3月19日までのカウントダウン・アイコン」が、「Today!!」と点滅していた。

「ポルノ雑誌を子供が自由に閲覧できるようなインターネット環境は規制すべき」とする法務省のCDA(Communication Decency Act)擁護に対して、「参加者が未成年であるかどうか確認できない環境での言論の規制は、成人に対する言論の自由侵害となる」としてCIECなどの人権保護団体が告訴していたものだ。最高裁入口には「Pro(支持)派」と「Con(反対)派」に分かれた傍聴希望者が100人以上詰めかけたと言う。

弁論終了直後にインターネット中継されたインタビューで人権保護団体筆頭弁護士Bruce Ennis氏が語ったところによると、判事たちはCGIに関する知識まであり、前回とは打って変わってインターネットに関する下調べをしてある様子だったそうだ。通常、それぞれ30分しか与えられない弁論時間も35分に延長するなど、インターネットについての説明の複雑さを理解できるようにと、こうした処置がとられたらしい。

「センサーソフト」が既に低価格で普及している事実は、人権保護団体に非常に有利な点だ。「親が子供を守る手段は存在するのだから、人間としての権利を侵害する必要はない」とする論点は、Ennis氏の巧みな弁論で十分に伝わった模様だ。

最高裁判決は6月の予定。今後のインターネットの性質を大きく変えることになると考えられる今回の論争は、それまで延々と続くことになるだろう。

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