サオリ姉さんのSurfin'USA |
ネット中毒者のためのセルフヘルプ書「Caught in the Net」 (98/06/03)
深夜、意味もなくサイトめぐりをしている自分に気付く。特に仕事が思うように行かない時など、「早く寝なければ」と頭では思いながらも、コンピュータの電源が落とせない。深夜突如として出現する「素晴しいアイデア」や「異常な程の持久力」の波を、潜在意識が待っているかのようだ。ほとんどの場合、これらのアイデアや作業結果は、翌日になると色あせているのだが…。「ネット中毒」の文字がチラついていた矢先、CNNのこんな記事が目についた。
「ネット中毒と他の精神障害との関連」と題された内容は、5月30日から6月4日まで開催されたThe American Psychiatric Association(アメリカ精神医学会)の定例会での報告。シンシナティー医学大学のNathan Shapiro博士の発表によると、「ネット中毒者は他の精神障害を持つ場合が多く、その障害を治療することで、ネット中毒の症状を緩和することができる可能性がある」というものだ。
週100時間ネットに費やして社会生活を放棄した男性、3日間大学のコンピュータ室にこもりきりだったところを発見された青年など、実際に重度のネット中毒者と判断された14名を対象にしたShapiro博士の調査。各自に精神科的問診を行なったところ、躁鬱(そううつ)病が11名、対人恐怖症などの恐怖症障害が7名、拒食症などの食事障害が6名、感情抑制障害が4名、アルコールなどの中毒が8名といった結果が出たそうだ。それらの症状治癒のために精神安定剤などの投与を受けた被験者たちは、同時にネット中毒症状も緩和できたと報告している。
「『ネット中毒』はまだ障害として認定されていないが、『Internetomania』『Netomania』などの病名をつけ、しっかりと治療に取り組むべき」と言うShapiro博士の言葉に、なんだか怖くなってしまった私は、以前「通信ママは大丈夫?相次ぐ『インターネット中毒』事件」で紹介したCenter for On-Line Addiction(COLA)に駆け込んだ。長年ネット中毒の研究を行ない、サイトでもチャットやフォーラムによるサポートを行なっている、Kimberly Young心理学博士の駆け込み寺だ。
ほっとしながらサポート最新情報を見ていると、新館書案内が目にとまった。Young博士の今までの調査を集大成した著作「Caught in the Net」。ネット中毒症状を自己判断し、博士の提示する回復法で中毒から立ち直ろう、という内容だ。病気は早期発見が一番。さっそくオンラインオーダーをしてしまった。重傷でないといいのだが…。
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