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スタンフォード大学の完全オンライン修士号 (98/07/29)

 7月22日のコラムで最近のオンライン大学の普及の様子をご紹介した矢先、今度はスタンフォード大学のオンライン修士課程コースがCNNなどで報道され、話題を呼んでいる。「産業時代には学校は行くものだったが、通信時代には学校の方がやってくる」と語るのは、Stanford Center for Professional Developmentの校長Andy DiPaolo氏。全課程を完全にオンラインで取得するコースが、この秋から始まるのだ。

 オンラインの学位取得は今までも可能であったが、スタンフォード大学という名門校の、それも完全にオンラインで取得できるというのは珍しい。大学側の発表では、電気工学修士課程取得のための30のコースが、スタンフォード大学のオンラインサイト「Stanford Online」から提供されることになる。テキスト教材の電子配布はもちろんのこと、ストリーミングオーディオやビデオ、講義に同期させたスライドショー、講師や生徒間のリアルタイム・ディスカッションなど、授業方式もインターネット技術の最先端を究めたもの。技術面でのサポートには、MicrosoftやCompaqが協賛している。授業内容も実際のクラスと同様の厳しさが要求されるという。

 Stanford Onlineは、今までも遠隔教育として数々のコースを提供してきた。特に工学部の企業向け遠隔教育は30年もの歴史があり、インターネット以前は短波ラジオ、ビデオ、衛星、二方向デジタルビデオなどの手法で、300以上にも及ぶ会社教育を行なってきた。今回の修士コースの提供には、それらのノウハウが十分に生かされることだろう。

 現在この初体験に登録されている学生数は約50名。そのほとんどが仕事を持ちながらさらにキャリアアップを図るハイテク技術者たちのようだ。卒業まで3~4年と時間がかかるが、それでもやはりスタンフォードの修士号は十分に価値のあるもの。授業料も4万3,000ドルと、一般授業料の倍近くになるというが、会社が負担してくれるケースが多いし、また歴史に残るかもしれない初体験とあって、それもあまり気にならないのかもしれない。

 私も興味津々、試しに受講登録申込書のpdfファイルをダウンロードしてみた。コース番号や授業方式の欄を見るうちに、なんだかとても崇高な気分になってしまった。

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