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ウォッチャー金丸のNEWS Watch

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1998年1月6日


HEADLINE 3 articles

97年 日経優秀製品・サービス賞の発表
インターネット電話各々
コンサートチケットを電子化
余談3題:ソフト・プッシュのターゲットリンク/DB-Mail(デービーメール)/ブランドショッピング


 

[製品][サービス](レベルA'
97年 日経優秀製品・サービス賞の発表
(副題:温故(97年)、知新(98年))


 今年のNEWS Watchの第一番としてふさわしい企画が日経両紙に掲載されているので紹介したい。

 日経新聞1面と15面、そして日経産業新聞1面及び14面と15面の両開きには、日本経済新聞社の1997年度日経優秀製品・サービス賞が発表されている。その中でインターネット・PC関連では、日本経済新聞賞にコンピューター通信専用ネットワーク「OCN」(NTT)が、日経産業新聞賞にサーバー向けOS「WindowsNT4.0」(MS)とPCサーバー「エクスプレス5800」(NEC)、10万円を切る低価格PC「パーパス スーパーデスクトップPC」(高木産業)などが選ばれている。また優秀賞として、グループウェア「ノーツ・ドミノ」(ロータス)や32kbpsPHS高速データ通信サービス(PHS各グループ)なども選ばれている。

 昨年はインターネットなどの通信(OCN)と、ネットワークを意識したサーバー関連が注目されたということだろうか。
 まず年頭に昨年を振り返り、今年ネット関連で台頭してきそうな製品・サービスなどを予想する良い判断材料になりそうだ。



○インターネット電話各々
 日経新聞9面には、米国ではインターネット電話への参入が相次いでいるという記事が掲載された。全米に光通信網構築を進めているクエスト・コミュニケーションズ社が1月末からサービスを開始する。料金は、州際電話の場合で、1分7.5セントと通常の長距離電話の半額程度になる。また昨年MCI買収を決めた米ワールドコム社も、インターネットFAXサービス「グローバルFAX」に着手し、米国内の場合、1分10セントと電話回線でのFAXより3~6割安くサービス料金を設定する。

 一方で日経産業新聞2面には、富士通と松下電産がインターネット電話の事業化実験を相次ぎ始めたという記事が掲載されている。富士通は、蒲田システムラボラトリと川崎工場間で音声通話の実験を開始し、プロバイダー事業の「InfoWeb」の新サービスとしての展開を検討中。松下は、東京と大阪、福岡の3カ所をインターネット電話対応として社内電話機を使った実験を進めており、同様にプロバイダー事業の「Panasonic Hi-Ho」の新サービスとして98年半ばにも事業化する方向で検討を開始したとしている。

 上記記事(日経新聞9面)には、「長距離電話事業の需要の6%がインターネット電話に移行すれば、AT&Tなどの大手でも利益がでなくなる」とも記載されている。それが大げさな推論だとしても、日米のインターネット電話事業化への展開の速度(温度)差はまだあるような感じだ。


○コンサートチケットを電子化
 日経産業新聞3面には、三井情報開発が10月から、三井物産やソニー、さくら銀行の他、音楽関連の業界団体である全国コンサートツアー事業者協会らと共同でコンサートチケットを電子化する実証実験を行うと掲載された。一回につき一般モニターを千人、企業モニターを百人程度を対象とする予定で、非接触型ICカードを使ってコンサートチケットの予約や販売、決済、発券等をネット経由などで処理する計画という。

 これは通産省の外郭団体の情報処理振興事業協会(IPA)が昨年10月に採択した「電子商取引共通基盤整備事業に係る採択テーマ」16件の内の一つで、チケットレス流通システムの開発をメインテーマとしている。また、チケットぴあなども、別テーマでEC共通基盤整備事業に参加しており、近い将来の事業協力も期待したいところだ。



余談その1:ソフト・プッシュのターゲットリンク
 日経産業新聞2面には、ソフト開発ベンチャーの米インターネットイメージ社が、プッシュ技術を活用して多数のPCにソフトを同時配信できるシステム「ターゲットリンク」を開発したという記事が掲載された。日本では法人利用を狙っており、米国発売に先駆け兼松セミコダクターなどを通じて発売するという。

 上記システムは対象を絞るなどネットへの負荷軽減に貢献し始めたプッシュ技術の第一歩でもあると言えそうだ。

余談その2:DB-Mail(デービーメール)
 日刊工業新聞7面には、 ビークラインがDB機能の付いたEメールサーバー対応ソフト「DB-Mail(デービーメール)」を首都圏で発売したという記事が掲載された。DBのリストを元に相手先を抽出可能で、一斉配信も数十万件でも対応できるとしている。DBソフトのアクセス97とWindowsNT3.51以降に対応し、価格は10万円程度としている。

 NTサーバーを持つ個人事業者などにとって、顧客に対する個別メール配信が比較的安価に可能となりそうだ。

余談その3:ブランドショッピング
 日刊工業新聞7面には、ジャストシステムが同社のオンライン・サービス「ジャストネット」上に、有名ブランド品専門の仮想ショッピングモール「ブランドショッピング」を開設したと掲載された。東京都内の質屋の連絡組織である東京質屋情報センターが運営し、加盟各社が仕入れたルイ・ヴィトン、グッチ、プラダ、ティファニーなどの衣料や宝飾品、靴・かばん類、カルチェやローレックスの腕時計、ナイキのスポーツシューズなどの有名ブランド物の中古品や新品を販売するとしている。

 既にブランド品のオークションは開催されている。中古品と考えるとやや高値が付いているように思える。店舗を持たないメリットを生かした価格帯設定を期待、といったところだろうか。


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