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ウォッチャー金丸のNEWS Watch

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1998年1月14日


HEADLINE 3 articles

MSの日本法人にも公取委の立ち入り調査が
デジタルコンテンツ提供サービスの二極化
KDDのインテリジェントTCPアナライザ開発

余談4題:α-ALPHA5(アルファ5)/Javaで機械翻訳/女性モニター調査代行事業/ネット機器で貿易表彰


 

[独禁法][MS](レベルA'
MSの日本法人にも公取委の立ち入り調査が


 MSの日本法人が13日、独占禁止法違反の疑いで公正取引委員会の立ち入り調査を受けた記事が、朝日新聞の3面と12面、読売新聞の1面と10面、毎日新聞の1面と8面、日経新聞1面トップと3面、日経産業新聞24面、そして日刊工業新聞の1面と10面に至るまで掲載されている。
 その中では、同社の業務用ソフトである「ワード」と「エクセル」をセット販売させるなど、他社のワープロや表計算などのソフトを取り扱うのを不当に制限した嫌疑がかけられていることと、NECや富士通、東芝、日立、ソニーに至るPCメーカーにも公取委は立ち入り調査を実施し、MSとの契約書などの資料を押収したことなどが記載されている。

  米国と違い、日本ではWWWブラウザーではなくワープロなどとのセット販売を問題にしているが、これは日本国内にWWWブラウザーでライバル会社がないからだろう。実際、記事でも一太郎を例に挙げている。いずれにせよ、今後の日本の公取委の調査及び判断が大いに注目される。

[著作権][販売サービス](レベルA'
デジタルコンテンツ提供サービスの二極化


 日経新聞15面には、コンテンツの著作権者や保有者から写真や映像などを預かり、デジタル技術でDBとして保存して情報提供サービスに乗り出す企業が相次いでいるという記事が掲載されている。
 まず日立凸版印刷は共同で、3月をめどに新会社を設立し、5年間に百万点のコンテンツ収集を目指す。
 また富士通テレビ東京と共同で、番組制作した際に発生したコンテンツのDB化を進めており、既に写真や動画、CG画像を中心として2,300点程度を収録し、社内ネットワークでCD-ROM制作の際にコンテンツを二次利用できる体制も整えているという。

 これに対して素材写真販売会社の米フォトディスクは日本で、6万点を超えるデジタル写真をCD-ROMやインターネットで著作権料フリーで提供する(1月8日号NEWS Watchを参照)という記事が掲載されている。
 また日経産業新聞1面には、マルチメディアコンテンツ制作会社のストリームが、著作権料フリーの音楽素材集「Sound Gallary」シリーズを商品化する計画があるという記事も掲載されている。

 前記2件は、著作権を一手に管理してユーザーにサービスするシステムで、後記2件は著作権の売り切りを目玉としているサービスである。コンテンツの持つ付加価値の大きさによって、今後は著作権を徹底管理するサービスと少額で売り切ってしまうサービスに二分化されていくのではないだろうか。



KDDのインテリジェントTCPアナライザ開発
 日経産業新聞2面には、KDDが、インターネットの通信手順の動作状況を詳細に解析し、その結果をグラフに図示できるソフト「インテリジェントTCPアナライザ」を開発したという記事が掲載された。このソフトを半年後をめどに製品化して、KDD社内のほかプロバイダーや一般企業にも外販するようだ。

 大規模なLANからインターネットに接続している場合、何となくネットが「重くなった」(伝送速度が落ちた)と感じた時に、原因がハッキリしない企業ユーザーも多いと思う。そんなケースを徹底解決するには、有効なソフトかと思われる。




余談その1:α-ALPHA5(アルファ5)
 日経新聞13面と日経産業新聞6面には、DDIが13日、一般電話機で最安値の通話料金経路を選べるα-LCR機能の次世代版にあたる「α-ALPHA5(アルファ5)」を発表したという記事が掲載された。1月から低価格電話サービス「東京電話」が開始したことなどから、LCR機能で「最低料金」や「お得な通話」を選ぶことも困難になっており、DDIはLCRの名前を外すとともに、インターネット国際FAXなどを売り物にするとしている。
 なお、日経産業新聞6面や日刊工業新聞11面には、九州松下電器が2月10日、上記アルファ5機能を業界で初めて搭載したパーソナルファクス“おたっくす”の新製品「KX-PW21CX」の発売するという記事も掲載されている。

 LCR機能が有名無実となりつつある今、インターネット電話やFAXがそれにとって変わる新規能として、電話機機能の表舞台に引きずり出されるのも時間の問題だろう。

余談その2:Javaで機械翻訳
 日経産業新聞5面には沖電気工業が、Javaを使い豊富な例文をDBから探して、翻訳文を迅速に作成するインターネット端末用の機械翻訳ソフトを試作したという記事が掲載された。接続するDBを切り替えれば、日英や日独など複数言語間での翻訳が可能になるとしている。

 このソフトはJavaの特性から、NC端末を使った企業や組織内のイントラネット上での翻訳システムに向けた製品と考えられる。

余談その3:女性モニター調査代行事業
 日経産業新聞19面には、インターネット関連サービスのメディアネットが16日から、インターネットを使った女性モニター調査の代行事業「レディネット・モニター」を始めるという記事が掲載された。通常調査は3日間で、FAX等のこれまでの調査媒体の半額以下の低コストでアンケートをまとめる。

 野村総研のインターネットユーザー・アンケート調査では、女性ユーザーはオンラインショッピングへの利用意向も高いと分析されており、このサービスもオンライン・マーケティング・リサーチなどでは確度の高い数字が得られそうだ。

余談その4:ネット機器で貿易表彰
 日経産業新聞23面には、米シスコシステムズ社のジョン・チェンバース社長兼CEOが13日、橋本竜太郎首相から貿易表彰を受けたという記事が掲載された。日本への製品輸入に貢献した個人を毎年表彰しているのだが、今回は日本のインターネット基盤作りに貢献した点が評価されたということらしい。

 これもネットワーク時代を反映している、ということだろうか。(昨年来日したビル・ゲイツ会長の時といい、首相は情報ハイテク企業がお好きなようで...(^_^)


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