1998年2月3日
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○バックウェブの日本法人の設立
○世界のドメイン取得代行サービス
○セガの次世代ゲーム機
○海底ケーブル敷設事業の統合
余談3題:カード・オンライン通販/ワールドソース・ビジネスコネクト/金ページ
追記:誘導性プラスチックの記事補足/休刊のお知らせ
○バックウェブ・テクノロジーズの日本法人の設立
日経産業新聞2面には、プッシュ技術のバックウェブ・テクノロジーズが、日本法人のバックウェブ(東京・新宿、資本金:1千万円)を設立したという記事が掲載されている。企業向けを中心に日本市場を本格開拓して、ライバルの米マリンバ社などに対抗する。
日本法人では主に、代理店のサポートや代理店と連携した顧客企業のイントラ/エクストラネット向けのシステム提案を展開するという。
プッシュ、プッシュと騒がれた昨年のインターネット界だが、ここにきてその実効性が問われ始めてきている。IEやネットスケープなどのブラウザーにもチャンネル技術によるプッシュ情報サービスが取り入れられ、プッシュ・サービスも過当競争時代を迎えつつある。企業ユーザーに対しても、個別のニーズに対応(プッシュのメリットを現出)出来るようなソリューシュンの提供が、今後求められるだろう。
○世界のドメイン取得代行サービス
日経産業新聞19面には、インターネット関連サービスのHIPが、世界各国・地域のドメインを取得する代行サービスを始めるという記事が掲載された。ドメイン取得・登録サービスの米ネット・ネームズ社と共同で行い、ドメイン名は世界約110カ国・地域から自由に選べるとしている。例えばニューカレドニアでは、初期登録料金が2ドルでサーバー維持費も年2ドル。米国の100ドルに比べて格段に安いとしており、ドメイン名を取得する際の手数料も一律100ドルと抑える。
日本(co.jp)や米国(com)などでは、有名な企業や組織などのドメイン名が既に取得されているケースも多く、これからインターネットに参入する企業などには、自由にドメイン名を選べなくなってきているのが現状だ。そんな企業や個人のニーズにも対応出来る安価ドメイン取得サービスではあるが、あまりにサーバー維持費等が安いと、チョット管理状態など不安に感じる部分もあるのだが…。
○セガの次世代ゲーム機
日刊工業新聞7面には、セガの入交正一郎副社長が2日、次世代ゲーム機に関してECなどにも対応した機能を持たせて、CSKやアスキーのインターネット事業の受け皿として活用していく考えを示したという記事が掲載された。次世代機は128bitになると予測され、現行機種よりも飛躍的に画像処理能力もアップするとしている。
元々ゲーム機は、子供から大人まで使えるヒューマン・インターフェースを考慮しているので、ECも含めたTVとネットを結び付ける機器として期待できる。128bitのゲームマシンならば、既にPCを越えていると言っても良いだろう。
○海底ケーブル敷設事業の統合
日刊工業新聞1面には、KDDがNTTに対して、海底ケーブル敷設事業の統合化を持ちかけていることが2日明らかになったという記事が掲載された。これまでNTTの海底ケーブル敷設は離島など日本国内に限定され、国際間はKDDの独壇場だったが、NTT法の改正でNTTの国際通信事業展開が可能になるため、ケーブル敷設事業などを統合する事でNTTとの費用などの消耗戦を避ける意向のようだ。
将来の競合相手のケーブルを敷設する事は、KDD本体としてもジレンマもあることが予測される。しかし、世界的に見た海底ケーブルの敷設技術は、米TYCOと仏アルカテル、そしてKDDの3社がリードしており、KDDもまず自分の得意分野での業績向上を目指そうとする姿勢も感じられる。
余談その1:カード・オンライン通販
日経新聞15面には、日本信販が7月をめどに、インターネット上の電子決済サービスを実用化するという記事が掲載された。同社の1,800万人のクレジットカード会員を対象に、オンライン通販ができる専用ソフト「ワレット」のCD-ROMを無償配布して、一括払いやボーナス払い、分割払いなど複数の支払いをPC画面上で自由に選べるEC体制をつくるとしている。
実際のカード払いと同じようにオンライン・ショッピングが出来るという特長により、その他のEC事業よりも一歩進んだサービスとなろう。
余談その2:ワールドソース・ビジネスコネクト
日経産業新聞7面には、KDDが今年6月をめどに、米AT&Tなど日米欧アジアの通信会社18社が参加する通信企業連合「ワールドパートナーズ」のLAN接続サービス「ワールドソース・ビジネスコネクト」を提供するという記事が掲載された。インターネットと同じ通信手順「IP」を導入しているが、ワールドパートナーズのフレームリレー基幹網を活用することで、データ伝送の安全性や速度を高めたとしており、多国籍企業の社員などを対象としているようだ。
仮想データ通信網(VPN)に比べて、フレームリレー(FR)網を使うことにより、物理的に専用線接続となるので、セキュリティーや伝送速度を上げることが出来る。後は企業ユーザー等が、このサービスのセキュリティーや速度にどれだけの付加価値を見出すかが問題となろう。
余談その3:金ページ
日刊工業新聞15面と日経新聞15面&日経産業新聞13面には、三菱マテリアルが2日、金のホームページ「三菱ゴールドパーク」を開設したという記事が掲載された。佐渡金山(新潟県)や精錬所を見学できる「バーチャルツアー」や、金の歴史や需給に関する情報を提供する「金の博物館」、ゴールドショップコーナーでは直営宝飾店とオンライン通販できるようだ。
景気が悪い時には、金の相場が上がるというのが世の常なので、というところだろうか。
追記:誘導性プラスチックの記事補足
導電性プラスチックの開発に関する記事に対して、読者の方から「手におえない産業廃棄物(重金属含有プラスチック)を助長しており、地球環境への配慮も期待したい」旨のメールをいただいた。そうした話は考えておらず、利便性のみを見ていたが改めて考えさせられた
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