ウォッチャー金丸のNEWS Watch
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1997年4月28日版

HEADLINE 3 articles

日立、NEC、富士通が電子商取引で提携
NTTの「音楽半開示システム」
ダイナウェアの「XtraNet(エクストラネット)」ソフト


[EC](レベルA')
日立NEC富士通が電子商取引で提携し、共同で認証会社設立へ
INTERNET Watch記事参照)

 日経新聞1面トップには、日立とNEC、富士通がECで提携し、共同で認証会社を設立する記事が掲載されている。同じく3面の「きょうのことば」コーナーでは「電子認証サービス」が取り上げられ、13面の解説には、米国がECに関して先行していることに対しての各メーカーの危機感からこの様な動きになったとした論説も掲載されており、いかに一般にも影響のある事柄かが分かる。

 今のところ、日立コマース・ソリューションの中でも、4月25日から公開された日立EC関連記事コーナーにおいてこの合意事項が掲載されているだけだが、他企業や省庁などに与えるインパクトも大きいだろう。

 3社が共同開発を進めているEC共通プラットフォーム「SECE(Secure Electronic Commerce Environment)」(INTERNET Watch記事及び富士通のプレスリリース参照)に、認証会社の企画が具体的に3社から出されたことで、ますます日本オリエンテッドの色合いが強くなったともいえる。今後の展開としては、この3社のようなハードとソフトを実際に作るメーカーばかりでなく、銀行やカード会社、商社など商行為を行う企業からの参入や協力が必要となることから、多数派をいかに形成することが出来るかが鍵になってくるだろう。当然、海外のベリサインやGTEなどの実績の有る方式との互換性など、課題は山積してはいるが、とりあえず日本の大手メーカーが組んだことで、国内の規格の乱立によるEC規格共倒れは少なくなったと考えられる。今後は、3社の規格擦り合わせなどに無駄な時間を費やさなければ、海外システムとも充分に対抗していけるものになりそうだ。


[暗号技術][音楽](レベルA')
NTTは、インターネット音楽配信の際の不正利用やコピーを防止する技術を開発
INTERNET Watch記事参照)

 今日の日経産業新聞2面には、NTTが、インターネット音楽配信の際の不正利用やコピーを防止する「音楽半開示システム」についての記事が掲載された。音楽情報にかけるスクランブルの強度を色々設定できるようで、全体にゆるやかなスクランブルをかけたり、曲目の一部にのみスクランブルをかけることが可能であるらしい。NTTの符号化技術TwinVQあたりと組み合わせて、CD並みの音質の音楽を電話回線で安全に配信するサービスを年内にも実用化するようだ。

 主に音楽データをそのまま聞かせるのではなく、サンプルとしてダウンロードさせるのにこの技術は使えるのだが、暗号を解く「鍵」の課金や管理システムをどう運用していくのかが今後の課題だろう。

 4月22日のNEWS Watchでも、音楽とネット著作権の件について触れたが、コンテンツの作り手が安心してネット上に作品を並べられるようになるには、インターネットにおける著作権の規制などの法的な規制ばかりでなく、この様な技術的なサポート(進展)も必要となってくる。


[CD-ROM][コンテンツ・サービス](レベルB)
ダイナウェアが「ディレクター」コンテンツとインターネットとを連携するソフト
「XtraNet(エクストラネット)」を発売

 日経産業新聞3面には、ダイナウェアが「ディレクター」で製作したWebコンテンツとインターネットとを連携するソフト「XtraNet(エクストラネット)」を発売する記事が掲載された。ダイナウェアのリリースから辿っていくと、米ヒューマンコード社がソフト開発し、北米地域の販売元がg/matter社で、日本ではg/matter社と協力関係にあるダイナウェアが取り扱うということになっているようだ。

 現在、マクロメディア社の「ディレクター」で製作されたCD-ROMコンテンツというものは非常に多く、会社案内からゲームまで幅広いものがあるのだが、こういったソフトの更新情報をダイレクトにCD-ROMからインテーネット経由で得られれば、情報の価値を(最新のものとして)保つことが容易に出来るようになり、インターネットへの接続の簡易化とともにサービス向上となろう。

 また、インターネットVideo CDの使い方と同様(NEWS Watch記事参照)に、Webからのデータだけに頼ったShockwave方式ではなく、データ転送の負荷分散の一手法としても評価できそうだ。しかし、その実力を知るためにも、ソフトのダウンロードを行なって、サンプルページを体験してみるべきなのだろう。


余談:その1

 今日の日経新聞1面には、「'97日経インターネットアワード」開催の広告記事が掲載されている。日本の企業や自治体などが過去1年間に開始又は大幅な改良が成されているものが対象だが、PC Watch開始やインターネット・ラジオ番組を始めたなど、大幅な改良(拡大)がなされた「Watch」もその対象としてノミネートされてしかるべきかと...(^_^)(昨年度は、日刊工業新聞から表彰を受けた実績もあるので)

余談:その2

 今日の日経産業新聞3面には、インプレスと渡辺プロが、インターネット・TV局「W VISION」のチャンネル数を倍増(8つ)した記事が掲載さた。(いえ、ただWatcherとして当然の記事セレクションかと...(^_^;)

余談:その3

 連休による人手不足(筆者のお休み)と、NEWS Watchのクオリティ確保(ニュース・ソースが枯れることと、INTERNET Watchとの記事バティング?の可能性あり)の為に、明日から5月5日までNEWS Watchを休刊とさせていただきます。何卒、ご了承下さい。m(__)m


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