ウォッチャー金丸のNEWS Watch
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1997年5月13日版


HEADLINE 3 articles

東芝のNCを使ったSOHO向けの情報システム提供
米IBMと米九松のパソコン用コードレスモデム開発
インテルのPentium II「フラグ・エラッタ」について
余談3題:ドメイン名騒動/AOLジャパン/MUSIC Watch


[NC][SOHO](レベルA')
東芝は、NCを使ったSOHO向けの情報システムを提供する


 日刊工業新聞8面には、東芝がネットワーク・コンピューター(NC)を使ったSOHO向けの情報システムのアウトソーシングに乗り出す記事が掲載された。今秋から試作のNCを使ってテスト運用し、98年早々から本格サービスを開始するようだ。
 今までNC方式を推進してきたオラクルやサン・マイクロシステムズばかりでなく、2月6日のNEWSWatchにあるような、ジャストシステムやロータスなどのソフト(システム)メーカーがNCで動くJava対応ソフトの発売したり、2月7日のNEWSWatchにもある、NTTデータ通信や野村総研などのシステムインテグレーター約40 社がNCシステム販売への試験導入したりなど、関連業種からのNCに対する支援アプローチがこのところ多いが、今回の東芝の動きはNC陣営にとってもより大きなサポートとなり、心強いものがあるはずだ。
 しかし、東芝独自の試作NCを使うことから、これまでNCメーカーとして頑張ってきた日本のNCメーカー:船井電機赤井電気ユニデンなどには、脅威ともなってくる可能性もある。どちらにしろ、NC普及にとっては大きなインパクトがあろう。
 東芝のような大手パソコンメーカーの立場としては、当然Wintel陣営のNetPCやWindowsCE機の動向もメインで押えつつも、ユーザーの用途によってはNCも推進していくという2枚腰を持つくらいでなければ、数カ月先でさえも見通せない闇の中にある情報通信機器業界において、生き残れないというのが本音なのだろう。



[パソコン][コードレスモデム](レベルA')
米IBMと米九州松下電器は、共同でパソコン用のコードレスモデムを開発


 同じく日刊工業新聞8面には、米IBMのワトソン研究所と米国の九州松下電器が共同でパソコン用のコードレスモデムを開発した記事が掲載された。98年前半には製品化する計画で、価格はコードレス電話と同程度の低価格に設定するようだ。
 この技術自体は昨年の6月にIBMが研究所からのリリースとして発表しているものだが、松下の小型実用化技術と相まって、製品化できるレベルまで達したと考えられる。無線LANのようにモデムが室内で使えるようになるので、どこに持って行っても(場合によってはウロウロ室内を歩きながらも...(^_^;)パソコンなどが使える、まさにコードレスフォン状態になるのだが、パソコン側と電話のモジュラージャック側にも送受信機器が必要となる点がもう一つといったところだろうか。家庭内電話でもそうだが、一度コードレス機器の便利さを体験すると、ケーブル付き機器を使用する気にはないものなので、各モジュールの低価格化と、特にノートPCなどへの装着性が普及の鍵となろう。
 しかし、PHSの32kbpsデータ通信が今年4月から始まっている事を考えると、製品化を急いだ方がいいとも思われる。確かにISDN回線が普及してもアナログ回線の28.8(33.6)kbpsモデムが相変わらずの普及を見せているように、このコードレスモデムにもPHSなどによるデジタル無線データ伝送とは異なる需要が、特に個々の家庭内からのモデム接続用にはありそうではある。が、現状でのPHSの普及率の伸びを見れば、折角一家に一台あるPHSを何とか使えないものかと考えても不思議ではないので、あまりのんびりしていると日本市場では入り込む隙間が少なくなる可能性も高い。



[ソフト][グループウェア][NC](レベルB)
インテルのPentium IIの「フラグ・エラッタ」への対応(PCWatch記事にもあり)


 日経産業新聞10面には、インテルの最新MPU:PentiumIIに関するバグ問題で、「フラグ・エラッタ」という欠陥を認め、ソフト会社などと共同で補正対応をしていく方針を明らかにした記事が掲載された。今のところ致命的なバグではないので、回収などは考えていないらしい。
 事の次第は上記の5月12日付のPCWatch記事を参照してもらえば良いのだが、この一連の事象は、何だ大騒ぎした割には大した事は無かったのか、良かった良かったで済まして良い事なのだろうか。
 一見インテルと各ソフトベンダーとの強い相互協力でこの難関を乗り切ろうという、美しい形のように見えるが、その裏では既に出荷した機器の回収などの損害を最小限に留めようという、各々のメーカー側の方向性が合っているがための大道連合のようにも見えてしまう。
 それもこれも、インテルコケたら皆コケたという風になってしまう、現在のPC業界のパワーバランスがそうせざるを得なくしているのも事実なので、ソフト・メーカーにもそのバグ回避の責務を分担させようということにもなってしまう。Pentiumのバグの時よりオープンなエラッタ情報が得られるとはいっても、インターネット機器などを推進しているメーカーとしては時流に乗って公表している程度なので、エラッタ公開自体を評価すべき事柄とも思えない。
 問題にすべきは、ソフトベンダーが挙ってインテル擁護に回っている現状ではないだろうか。メーカーの理論ばかりでなく、ユーザーにとってこの問題がどれほどのインパクトがあるかを見極めた対策なりを考慮していただきたいものだ。



余談その1:
 日経新聞39面の社会面には、有名会社名などのドメイン名を使ったアダルト・風俗関連ホームページの記事が掲載されている。ドメイン名が申し込み先着順で登録されるための混乱だが、特許庁もやっと重い腰を上げたようだ。宣伝のために、電話番号の「33-0843(○○がサンサン、オハヨーサン)」や「読むは○○」みたいなごろ合わせぐらいなら、笑って許される事であろうが、モロにローマ字読みが同じだとやはり...
 
余談その2:
 日経新聞13面&日経産業新聞2面と日刊工業新聞7面には、AOLジャパンが12日、AOL日本語版サービスに、天気予報、マネー、映画、ゲーム関連の各情報など四つの新しいコンテンツを加えたと発表した記事が掲載された。予定されていたコンテンツ拡充なのだが、後発組として日経のバックアップをフルに活かしてのサービス攻勢が今後も続きそうだ。

余談その3:
 日経産業新聞3面には、インプレス社が「MUSICWatch」を開始する記事が掲載されている。ウォッチャーとしては、Watch仲間が増えていくのは喜ばしいことではあるが、果たしてこのNEWS Watchがメール発信される日は来るのであろうか...(^_^;)



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