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1997年11月4日


HEADLINE 3 articles

PSINetとアスキーの選択
電子モールでのセキュリティーUP
MOware Homepageholder
余談3題:映像で市況情報提供/マイテス/PC用指紋認証装置


[通信料金][プロバイダー](レベルA'
PSINetとアスキーの選択--OCNの影


 日経産業新聞2面には、プロバイダーのピー・エスアイネット(PSINet)が、従来の約半額に料金を抑えた専用線接続サービスを本格展開するという記事が掲載されている。NTTが12月から始めるディジタルアクセス128対応サービスの専用線をアクセス回線に利用するとともに、PSINetの運営コストを削減して料金を抑えたとしている。9月26日のPSINetのニュースリリースにも、今年1月に投入した通信速度64kbps(ディジタルアクセス64対応サービス)に続き、同128kbpsサービスを年内申し込みのユーザーへキャンペーン価格として月額12万8千円(専用線料金を含む、年明け以降の申込ユーザーは正価で約15万円を予定)と、従来のサービス料金の29万3,760円の半額程度で提供するともしている。

 また日経産業新聞3面には、10月30日のINTERNET Watch Webでも記事になったアスキーのプロバイダー撤退に関する解説記事が掲載されており、松下電産が30万人を越える会員を引き受けることになった経緯などが書かれている。「収支はトントン」だったアスキーのプロバイダー事業を、会員数約1万5千の「Panasonic Hi-HO」が取り込んで行くことは、松下のプロバイダー事業の拡大展開を考える上では、渡りに船の話だったとしている。

 上記2件を見るに、プロバイダーの過当競争によって資金などの体力勝負の世界になり、OCNなどメジャーなプロバイダーがより大きなパイを取るようになってきていることが感じられる。
 経済的な体力の少ないプロバイダーにとってはますます冬の時代が訪れつつあるとも言えよう。




○電子モールでのセキュリティーUP
 日経産業新聞2面には、凸版印刷は同社の電子モール「トッパン・セキュアモール」上で会員に発行している電子証明書の発行手続きを複雑にするという記事が掲載された。従来、利用に必要なパスワードは申込者の住所あてに普通郵便で送っていたが、今後は書留による配送に切り替えて誤配送による被害の可能性を無くすとともに、パスワードの数も2つに増やして、パスワードを探り当てられる確率も限りなく零に近づけるとしている。手続きの複雑化で同社のコスト負担や利用者の手続きの煩雑さは増すが、出店者と消費者の不安感を払拭するのがECの活性化に不可欠(10月29日のNEWS Watchも参照)と判断したため、電子証明書の発行コストや認証局の運営コストは上昇するが個人の年会費:1,019円は据え置くともしている。

 ECなどにおけるセキュリティーに対して、安心感を与えるサービスとデータ保護が過剰とみなされるサービスとでは、その差は紙一重ぐらいであると思われる。あくまで通常にECなどを使った場合での利用件数や売上額に対する、不正使用が予測される場合の件数や被害額との比較検討を行った上で、どの程度のセキュリティーを施すかを考えなければ、ただ使い勝手を悪くするだけのマイナス作用しか生み出さない可能性もある。


MOware Homepageholder
 日経産業新聞7面には、富士通が11月28日、MOにホームページを丸ごと取り込めるソフト「MOware Homepageholder」を開発し、9,800円(FD3枚)で発売するという記事が掲載された。1度見たホームページをMOに保存することで、再び接続する手間や通信コストを節減できるとしており、クリックするだけでホームページをMOディスクに保存でき、かつブラウザーでMOの中に保存されたホームページを検索しながら見ることもできるともしている。

 上記ソフトの11月4日のリリースでは、「MO-Net Ver.2.0」とMOデータ高速処理ソフト「MachMO」を組み合わせたものが「Homepageholder」であるとしており、ブラウザーのIEやNetscape NavigaterとMOドライブを連動させるユーティリティ・ソフトとして販売されるようだ。
 これはまさにトラフィック軽減と通信料金軽減を兼ね備え、かつPCのHDDの空き容量も気になるネットサーファー向けには、使えるソフトになりそうだ。MOの普及を狙ったユーティリティではあるが、その他の大容量外付け記憶媒体にも応用してもらいたいソフトでもある。



余談その1:映像で市況情報提供
 日経産業新聞2面には、日本経済新聞社NIKKEI NET上で映像による市況情報の提供を始めたという記事が掲載された。CSデジタル衛星/CATV放送の経済専用チャンネル「日経サテライトニュース(NSN)」の番組から、東京株式や為替相場の概況をネット放送用に1分程度に加工して、昼夕2回放送するとしている。

 Real Playerで視聴する映像ニュースとなっており、先々週末からの株価乱高下が起こるような先行き不安がつのる今でこそ、需要の高いサービスになりそうだ。

余談その2:マイテス
 日経産業新聞2面には、制御・開閉装置メーカーのシステック(高知・南国市)が携帯電話を利用して静止画像や音声をPC画面に送る無人端末発信機器「マイテス」(11万8千円)を開発したという記事が掲載された。廃棄物の不法投棄やがけ崩れ、不審者の侵入など監視を必要とする現場にマイテスとカメラ、マイク、画像転送装置、携帯電話を設置し、センター基地のPCでカメラのレンズの位置を遠隔操作し、必要に応じてPC画面やモニターテレビに静止画像や音声を伝送するとしている

 マイテスと外部機器との接続には、シリアル・データ伝送形式のRS-232Cポートが使われているので、モニター監視の他にもRS-232Cポートを持った機器の遠隔操作が可能になると思われる。インターネットのピープ・ホール(覗き穴)用としては、携帯電話での通信料金がかかるので24時間のサービスには向かないが、見たいときに接続するようなオンデマンドで有料サービスを行う場合などには、使えそうではある。

余談その3:PC用指紋認証装置
 日経産業新聞7面には、富士通研究所が、ノートPCのパスワードの確認を指紋で行う認証装置を開発したという記事が掲載された。10月30日付けの富士通のリリースにも、ノートPC用指紋認証装置を世界で初めてPCMCIAカード型で実現したとあり、カードと一体となったスキャナで指紋を読取り、ソフトで登録指紋との比較を行うともしている。また指紋読込みとデータ化の所用時間が1.8s、本人認識は20ms(両方ともPentiumPro 200MHz時)と高速で、これに遠隔サーバへ電話回線を介して転送する時間0.2s(伝送速度14.4kbps)を加えても計2秒で認証結果を通知できるともしている。

 98年の春には商品化予定としており、PCMCIAカードが接続できるPCからPDAなどまで、ECやモバイル作業時の認証機器として期待出来るだろう。
(これも上記のMOwareともに、本日から7日まで東京ビッグサイトで開催されているCOM JAPAN 1997において、富士通ブースでの展示があるので、参照されても良さそうだ)



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