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1997年11月11日


HEADLINE 4 articles

日本内外の通信業者のM&Aの違い
ICカード実験
富士通のpicoJava
光コネクター国際電気標準化
余談2題:AOLソフト標準搭載/IBプロジェクト


[通信業者][M&A](レベルA本日のINTERNET Watch Web記事参照
内外の通信業者のM&Aの違い


 日経新聞1面及び9面の解説朝日新聞11面には、米ワールドコムが10日、米MCIコミュニケーションズの買収合意を発表したという記事が掲載されている。(その詳細な経緯や買収金額などは、今日の各新聞サイトやINTERNET WatchやじうまPC Watchなどの記事を参照していただきたいと思う)

 この結果、特にMCIと国際通信事業:コンサートを共同で進めてきた英ブリティシュ・テレコム(BT)にとって、同社の世界通信事業戦略が白紙に戻ったことを意味しており、また新たな提携先を探さなければならない時間的ロスを背負い込んだとも言えそうだ。

 この様な海外での巨大通信会社間のM&Aに一応の決着がついた今日、国内の通信業者のM&Aに関する報道も流された。

 朝日新聞1面トップ11面には、KDDとトヨタ自動車系の長距離電話会社テレウェイ(日本高速通信)が来秋に合併することで大筋合意したという記事が掲載されている。一時、KDDから新聞報道を否定するコメントも出されたが、同社の西本正社長が11日午前に会見し、まだ交渉中であることを明らかにしたというのが現時点での各新聞の報道内容のようだ。

 欧米の通信業者同士のM&Aは、各社の世界への通信拡大戦略に則った(激しい)攻めのM&Aとなっているのに対して、今回の日本のM&A話は、今日の日経新聞夕刊3面に掲載された、自見郵政大臣の会見でのKDD法を98年夏をめどに廃止する方針の正式表明とも絡んで、まず国内の通信事業連携を強固にしようとする守りのM&Aとも感じられる。国内の通信事業形態を整えなければ海外からの開放戦略に耐えられないくらいに、国外の通信業界の競争が激化しているということだろう。




○ICカード実験
 日経産業新聞1面には、米マスターカード・インターナショナルが来年、日本で本格的な電子マネー利用実験を始めるという記事が掲載されたている。銀行系カード会社などと協力してICカードを発行し、商店などには専用端末を設置するようで、ICカードに多目的機能を持たせるMULTOSソフトの搭載の可能性もあるとしている。

 これまでマスターカードは、UCカードのEC実証実験(3月7日のNEWS Watch参照)などを日本で支援してきたが、日本でのVISAのICカードなどを利用した実証実験(8月13日のINTERNET Watchなど参照)への取組みには遅れを取っていた。しかし、ここに来て買収したModex社の技術を投入したICカードを使って巻き返しを図っており、来年は日本でもEC用ICカードの製造ばかりでなく、EC利用端末やその通信インフラまでの整備を重視する年ともなりそうだ。


○富士通のpicoJava
 日経新聞13面&日経産業新聞9面と日刊工業新聞13面には、富士通が10日、サン・マイクロシステムズ社からpicoJava I MPUのライセンス取得を発表したという記事が掲載された。32bit RISCを98年度中に開発し、99年からPDAなどのシステムLSIとして販売するとしている。

 まずはJava Chipの製品化が、Java言語の高速処理化などを加速し、NCやインターネット(情報)家電での利用を拡大出来るので、海外のNC陣営にとっても富士通のJava MPU開発に期待する部分は大きいと思われる。


○光コネクター国際電気標準化
 日刊工業新聞1面及び日経産業新聞5面には、NTTが10日、過去1年間のうちにNTTの光コネクターの5種が国際電気標準化会議(IEC)から国際標準に制定されたと発表したという記事が掲載された。同期間に国際標準に制定された光コネクターは全部で8種のうちの5種をNTT製が占めたとしている。

 国際標準機器に選定されることは、量産効果による光通信関連の製品の低価格が進み、日本での光ファイバー網:ファイバー・トゥ・ザ・ホーム(FTTH)の推進にも貢献すると期待される。




余談その1:AOLソフト標準搭載
 日経新聞15面には、AOLジャパンがNECなどパソコンメーカー11社と提携して各社のPCにAOL入会・接続用ソフト標準搭載を始めたという記事が掲載された。。AOLは新規入会した会員数に応じて各メーカーに販売協力金を支払うようで、NECの「PC98-NX」シリーズなど全機種に搭載するとしており、松下電産やソニー、日本IBM、東芝、キヤノン、三菱電機なども順次搭載するとしている。

 これまでNiftyなどのパソ通業者が通信ソフトなどをPCにバンドルして発売していることに対して、AOLも初めから接続ソフトを搭載する方策を取ることにより、日本のパソ通業者やMSNなどと同じ土俵で競争出来る状況を作ったと言えそうだ。より激しい会員争奪戦が行われるのではと予測される。

余談その2:IBプロジェクト
 日経産業新聞3面には、インプレス社がデジタル出版を同社グループ5社での横断的な事業とする「インターネット・ビジネス(IB)プロジェクト」を発足させたという記事が掲載された。コンテンツの充実やインターネット広告の確立、オンライン販売の確立を目指すとしているようだ。

 Watch各誌を含めたデジタル・コンテンツの実績を活かせるものと期待できそうだ。



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