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1997年11月18日


HEADLINE 3 articles

アイコン・テレウェイ・インターネット社の設立発表
グアム-フィリピン間海底ケーブル敷設
女性向けEメール雑誌「ビー・アメリカ」
余談3題:サッカーW杯出場の波及/NetFront開発キット/2000年問題関連


「アイコン・テレウェイ・インターネット」社の設立発表本日のINTERNET Watch Web記事参照)

 日経新聞15面&日経産業新聞2面及び日刊工業新聞9面には、テレウェイ(日本高速通信)が17日、総合的なインターネットサービスの展開を目指して米アイコン社(Icon CMT Corp.)との合弁会社「アイコン・テレウェイ・インターネット」を設立すると発表したという記事が掲載されている。同社の17日のプレスリリースでは、アイコン社の技術を活用して日本国内の法人向けに、インターネット接続からシステムインテグレーション、ホームページ・デザインやアプリケーション開発、インターネット上での出版まで網羅したサービスを提供するとしており、来年4月からの営業開始を予定しているようだ。

 この事業提携は、テレウェイの様な従来の通信業者も、ただインターネットに繋ぐだけのプロバイダー事業からの差別化を図るために、企業や組織向けのトータル・インターネット・ソリューションを提供するサービスへと移行して行く流れの一つと考えられる。


○グアム-フィリピン間を結ぶ海底ケーブル敷設について
 日経新聞15面には、KDDのケーブル敷設子会社のKDD海底ケーブルシステムズ(KDD-SCS)と兼松、フィリピン最大手の通信会社PLDT、ニチメン、米タイコ・サブマリン・システムズの5社が出資して、グアム-フィリピン間を結ぶ海底ケーブル建設の新会社「グアム-フィリピン・リミテッド・パートナーシップ(GP-LP)」を設立したという記事が掲載された。この海底ケーブルの運用開始は99年3月を予定しており、日米を結ぶ既存の海底ケーブル「TPC5」や99年末運用開始予定の「China-US太平洋海底光ケーブル」(4月1日のNEWS Watch参照)ともグアムで接続するとしている。

 新聞に掲載されている地図を見ても、グアムは地理的に日本や東南アジア、中国とも等距離にあるために、アジア側との海底ケーブルの陸揚げ地として、情報のハブになり得る位置にあることが分る。この様な地理的条件や日本の接続料金の高さなどの問題から、アジア大陸側からの情報通信経路が日本を通らず、今回敷設されるケーブルなどをダイレクトに経由することとなれば、ますます日本を外した(Japan Passing)形での環太平洋情報網の構築が増えてくることも考えられそうだ。日本の情報空洞化も懸念される。


○女性向けEメール雑誌「ビー・アメリカ--アメリカン・ショッピング・ガイド」
 日経産業新聞2面には、米バーゲンアメリカが今月中にも、日本の女性顧客向けにEメールで配信する雑誌「ビー・アメリカ--アメリカン・ショッピング・ガイド」の発行を始めるという記事が掲載された。月2回発行し、希望者には無料配信する予定で、内容的には同社のオンライン・ショッピング情報などが中心となるとしている。また米ネットスケープ社のEメール技術を採用することで、消費者がホームページと同様の鮮明な画像と文字の表示が一緒になったEメールを簡単に見れるともしている。

 同社がこれまで発信してきたEメールマガジン:週刊「バーゲンアメリカマガジン」が、文字だけの情報配信であるのに対して、ホームページ同様に見られる(HTMLメール機能を利用していると思われる)という特性を使って、イメージがつかみやすく写真なども満載した雑誌ということから、特に女性向けとしているのだろう。
 Watchを含めて、電子メール配信形態を取っている新聞・出版社がなかなかHTMLメール配信に踏み切れない今、HTMLメールサービス形態の試金石的な意味合いを持つサービスともなりそうだ。




余談その1:サッカーW杯出場の波及効果
 今日は時期的に、日本のサッカーW杯出場と産業界の動きなどを結び付けた記事も目についた。
 まず日刊工業新聞8面には、98年の仏W杯の情報システムが、HPSybaseEDS、フランステレコムの4社による企業連合で運営されるという記事が掲載さた。会期中は単一WANに百以上のLANが接続される巨大システムが構築され、本部内の情報管理や世界中への情報発信に備えているとしている。

 また日経新聞13面には、今回のW杯出場が生み出す日本への経済波及効果が1,650億円程度と試算されることや、日経産業新聞32面(裏1面)には、早くも2002年の日韓共同開催のW杯の放映権(日本向けだけでも300億円と推定)を巡る駆け引きが始まっているという記事も掲載されている。

 インターネット関連で考えて見ると、2002年の日本でのW杯開催要項の中に、デジタル・スタジアム構想の様な先進的な取組み(当然、ネット発信なども絡んでくると思われる)も含まれていることから、インターネット・ユーザーも日本チームの活躍とともに大いに楽しめるW杯イベントになると思われる。

余談その2:NetFront開発キット9月25日のNEWS Watchも参照)
 日経産業新聞21面と日刊工業新聞8面には、ソフト開発のアクセスが、自社開発したブラウザー「ネットフロント(Net Front)」を情報家電(IA)機器に容易に組み込めるようにする技術を、PCソフト開発のメトロワークスと共同開発するという記事が掲載された。

 PC用ソフト開発ツールの「Code Warrior」で有名なメトロワークスと組むことで、TVやワープロ、カーナビ、携帯電話などに組み込むアクセスのブラウザー:NetFrontも、メーカーやユーザーにとってより開発しやすいソフトとなり、IA機器への普及が進むと考えられる。

余談その3:2000年問題関連
 日刊工業新聞8面には、日本電子工業振興協会(JEIDA)が、コンピューター販売会社を対象に2000年問題のアンケートを実施し、その結果対応済みというのは0.7%(!)で、他の99.3%が対応を開始しているという記事が掲載された。アンケート対象の446社うち138社から回答を得ており、対応が「相当工数かかりそうで、危機感を持っている」とする企業が48.5%にのぼるとともに、その逆に危機感を持つほどではないとする企業も23.1%あるとしている。また対応完了の時期については、期限ギリギリの'99年とする企業が81.5%と圧倒的に多いともしている。

 また同じく日刊工業新聞8面には、JEIDAの他に情報サービス産業協会(JISA)日本パーソナルコンピュータソフトウェア協会(JPSA)、日本事務機械工業会、日本電気計測器工業会(JEMIMA)の5団体が、2000年問題の対応を協議することで合意したという記事も掲載されており、12月より具体策の検討に入るともしている。

 この調査結果ならびに対応の時期を見ると、1999年はコンピューター・ソフト・エンジニアにとっては、徹夜徹夜の毎日となる受難の年となりそうだ。(¨;)



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